連載小説
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意外な事実〜山吹〜
由希side

「それにしても、ヒントを教えてくれるって噂の生徒会長……
何か特別な存在なんですか?」
私は歩きながら原田先輩に訊ねた。

私の学校の生徒会長、中松春花先輩。
春花先輩とは原田先輩同様同じ部活の先輩だし、そこそこ話す機会もあるけれど……
「春花先輩には失礼ですけど、そういう噂が流れるほど特別な存在だとは思えないんですよね……」
そう言うと、原田先輩は苦笑いした。
「まぁ…俺もそう思うけどな。けど……
やっぱりこのゲームで生き残るくらいの実力はあるってことだろ?」
「まぁそうですけどね……」

一応先輩からは、生徒会長及び副会長の選出の仕方は聞いていた。


このゲームで最後まで生き残った一年生か二年生であること。
優勝チームか否かは問わない。

成績が優秀であること…
まぁ5段階評価だとして、
9教科合計40点くらいないと、
生徒会長にはなれない。
副会長でも35点はないといけないらしい。

会長及び副会長候補は学校が選んで、
候補者にやるという意思があるなら、
その次の年から一年間、まぁいろいろやらされるらしい……


「俺も本当はなれたんだけどなぁ…生徒会長。
成績が、あと1点足りなくて…」
その先輩の言葉を聞いて私は開いた口が塞がらなかった。
そんなに頭いいなんて……聞いてないっ!

「まぁ、やりたかった訳でもないけどな。
やったらやったでしんどいし、部活もあまり行けないしな…
けど、学校から声かけられるってだけですごいステータスになるのに。」
「そうなんですか………」


ひたすら町を歩く私達。
ふと、【決して開けるべからず】と書かれた紙が貼られたドアがあるのを見つけて…

「あ!ちょっ小原さんっ………!」
先輩が止めるのも聞かず、私はドアを開けてしまった。
14/06/09 00:44更新 / 美鈴*
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■作者メッセージ
いい忘れてましたが、この物語、
時期的にはだいたい2~3月くらいです。

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