連載小説
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メール内容〜山吹〜
由希side

うぅ……恥かいたなぁ……
普通さ…ビックリしたら変な声出す?
もうちょっと可愛らしく「きゃっ!」とか叫んどけば良かったのに。
「ぅえっ!?」って………
男子からしたら…正直、引かれるかも。
実際に原田先輩も少し引いてたし……

ははは…
私っていつもこうなんだから……

自嘲気味に笑う私をよそに、原田先輩は通信機をいじり出す。

そして、メールを読み上げた。

「『通達。
ルール説明の時に説明し損ねましたが、
このゲームにおいて自主的なリタイア、つまり【自殺】は可能です。
が、【自殺】は成績をかなり下げる要因になるのでご注意下さい。
もし【自殺】をするのであれば、管制塔まで電話してください。』
…【自殺】、なんてまたもう…去年も同じこと思ったけどさ。」
先輩は私の方を見た。

「はい?」

「なんかこう…NGワードだよな。
ここ最近色々あったしさ。
もーなんでこんな物騒な言葉使うかな…?」

後半はほとんど独り言っぽい、メールに対しての批判をした先輩は、また続きを読み始めた。

「『また、今回の【死亡】の判定は、腕のブレスレットにて行います。
ブレスレットの中央にあるそれぞれのチームに対応した色の玉が、GPSの機能と共に、トラップの種類とブレスレットの衝撃で【死亡】の判定を行います』……?ブレスレット??これ、なんか違うよね。」

私はブレスレットを見た。
玉がついていない、ただの銀の輪だった。

「よく見たらこれ、去年の装備だ!
だからかよ……連絡連絡…っと。」
原田先輩は通信機をいじり、管制塔に連絡する。

「あーもしもし。山吹No.3の原田です。えーとですね。
通達の内容と俺たちの服装が一致していませんが……」
『あっ!!』

ハンドフリーモードなのかな?
私の担任の声が聞こえる。

『間違って去年の装備にしてしもた!
すみません今から全体に音声で通達します』
プツッという音がして電話が切れた。

程なくして、放送が入った。
『あー、あー。よし。入ってる。
えー生徒の皆さんに連絡です。
先生が間違って装備を去年のものにしていました。
只今変更致しますので少々お待ち下さい……
……プログラム、起動』


パッと一瞬で、装備が切り替わった。
…といっても、ブレスレットだけ…

ただの輪から、2つの輪が交差したような形の、交差したところに丸い玉が入っている銀のブレスレットになった。

『皆さんそのままゲームを続行してください。』
14/01/06 00:33更新 / 美鈴*
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