連載小説
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世界
いつの間にか寝ていた。

フワフワして気持ちのいい、布団の上で。

「ふあぁ〜」


「お嬢ちゃん、起きた?ご飯あるけど食べるかい?」

と、訳のわからない言葉を発する。

「ニャー」
と、だけ返事をした。

「猫の真似かい?上手だね」

…何を言ってるのか分からなかったけど
誉められた気がして嬉しかった。

「お嬢ちゃん、名前は?いつから、あそこの小屋にいたんだい?」

「ニャン?」

「…もしかして、お嬢ちゃん、言葉が通じないのか?」

「ワンッ」

「ちょっと、待っててね」
おじさんは、走って何処かへ行った。

そして、1匹の犬をつれてきた。

「ワンッ!ワンッ!ウゥヴヴヴ、ワンッ!」
威嚇されてる。

誰だ、お前と怒られてる。

「ワンッ」
と、目で話す。 

怒らないで、と。

すると、犬は、私の隣に来て
シッポを振った。

「すごい…。お嬢ちゃん、すごい!」

なんだか、これも
誉められてる気がした。


「お嬢ちゃん!おじさんの、娘がね、子供欲しがってたから、娘の子になってみない?」
「って、言っても、通じないか…」

だから、何いってるか、分からないってば!

1人で変な事を言う、おじさん

なんだか、笑えてきちゃった。

「あはは」

「お嬢ちゃん、今、笑った」

…今の、笑ったって言うんだ。

「わ、らった」

「言えた!すごい!お嬢ちゃん、すごい!」
頭を撫でてくれた。

嬉しい、こんなの初めて…。

「お嬢ちゃん、じゃなくて、生間セイマ ちゃん!」

せ、いま?なんだ、それ?

「名前だよ、生間」

名前…。

「野生人間だから、生と間をとって生間」

わかんない。

でも、私、生間…

名前、私の名前、生間

「な、まえ…せい、ま…」

「そぅだ、生間だ!よしっ、決まりだ!生間!」

「せいま」

「生間!」

おじさんが
楽しそうに笑うから

私も、楽しくなった。

「おじさんね、こんなに楽しいの久しぶり」

「生、ま…」

「はは、言葉の意味分かんないか」

笑顔なのに、楽しくなさそう…


「パパー?牛乳買ってきたケド?って、誰?」

…誰?この人
顔は違うのに、おじさんと同じ言葉を言ってる。

「ニャー、ニャー」
誰?と聞いてみたけど

「は?ふざけてんの?」

「まぁまぁ、落ち着きなさい」

通じあってる2人がすごい。

誉めたい気分になった。

さっきの、嬉しい感じになってほしいと思った。

だから
「す、ごい、すご、い、すごい!」

「何が?てか、なんでカタコトなの?そもそもコイツ、誰?」

「生間だよ、お前の娘にどうかな?って思ってな」

「せいま」

「うっせーな、しゃべってんじゃねーよ。てか、コイツ、拾ってきたの?」

「森で見つけた」

「うわ、きも。野生児かよ」

「嫌か?子供がほしいんだろう?」

「いや、ほしい。子供なら、なんでもいいし」

「持って帰ってくれ」

私は、車に乗せられた。

そして、私は、違う家に着いた。

「生間…だっけ?私に触らないでね、絶対に」

目が怖かった。

私は、小さな部屋に入れられた。

「そこから出るときは、夜だけね〜」

と、鍵をかけられた。

この部屋は、なんだか、あの小屋ににているから

嫌い

ママに会いたくなるから嫌い。

14/11/28 03:15更新 / プラス
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■作者メッセージ
予定では、あと3つ書いたら、完結にするつもり。

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