連載小説
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黒田陰緒2-1
え?何?この特殊な状況。

「………」

「………」

たまには休日に外に出て日の光を浴びようと思ったんだよ。オレは。
テキトーにDVD借りてテキトーに家帰ろうとか思ってたのに。

「……何?なんか文句あんの?」

「イエ、ナイデス」

隣には何故か、腕を組んで立つ間がいて。
そのほんのり赤い頬を見ながらことの経緯を思い返した。

―――――――――――――――

「お、あった。」

ずっと気になってた映画を手に取り、レジに向かう。
やっぱあれだよ。
1人でレンタルショップをウロウロするってのはなかなか乙だ。
なんたって誰もオレを気にしない。
アイツの存在マジなんなの的な視線を浴びなくていい。
まさに天国。極楽だ。
鼻歌を歌いそうな勢いで店を出る。
その瞬間、オレの自由な時間はことごとく打ち砕かれてしまった。

「あー!あれ、黒田じゃん!」

「ホントだ!」

確か、クラスの女子だ。うん。
それ以外の情報一切ないけど。
またバカにされんだろうなぁとグッタリしていた時。

「もーもーかっ!良かったですね〜!」

「ちょっ……何が!?ホント何がって感じなんですけど!?」

ももか?
誰それ。そんなヤツいたか?
チラッと視線を向けると。

「っ!!な、何!?こっち見ないでよ!キモイ!」

顔を真っ赤にしてオレに罵声を浴びせる間がいた。
てか、えぇー。チラッと見ただけでキモイって。
久々に心折れそうだったぞ。

「お前なぁ…他にオレに対してかける言葉ないんか。」

「うっ、うるさいな!!」

どうやらこの子にオレの言葉は届かないらしい。
ポリポリと頭をかいて、足を1歩踏み出す。

「用ねぇなら、オレ帰るぞ。映画見てぇんだよ。」

「あ…」

途端にしゅんとする間。
なんなのこの子。
情緒不安定なんか?
オレのこと好きすぎて離れたくないってか?
まぁ、地球がひっくり返ってもないか。
そんな時。

「じゃーさー」

閧フ友達が発した言葉に、オレは貴重な休日をパーにすることになった。
15/08/28 14:52更新 / とくとく
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