犯人捕カク大作戦(2)
翌日の放課後から実行開始。
「ふうちゃん、これポケットに持ってて、もしピンチになったら、
犯人めがけて投げつける、いい?」
「…うん、でもこれなに?」
「コショウ」
「…コショウ」
「ふうか、もし急に襲われたら大声で叫べ、すぐオレがとんでってやるからさ!」
「ホー 頼もしいね」
「ハハ…」
(ホントにそんなことになったら…なんか急にコワくなってきた。
またあの時みたいになったら…)
涼くんを見たら、なにか考えてるのか深刻そうなカオしてた…
結局、その日は何も起きなかった。
次の日も、次の日も… やっぱりこんなことしてもムダだったのか、
犯人はもうあきらめたのか、
みんなが当然そう感じ始めたその日、とうとう作戦を実行するときがきた!
いつものように公園の前をとおりかかったとき、突然おナカのあたりに腕がのびてきて、
公園の中へ引きずり込まれてしまった。
声を出したいのに口をふさがれてしまって、それができない。
草むらの中に押し倒されてしまった。
「おとなしくしてくれたら何もしないよ」
(!お願い、みんなはやく気づいて!…アッそうだポケット…)
やっと手にふれた粉をそいつめがけて、思いっきり投げつけてやった。
「うわッ」
(やった…手がはなれた)
その時、べつの手が、あたしの手をひっぱった。
「はやく、こっちこっち」
「涼くん!」
「フー だいじょうぶ?ケガない?」
「うん、なんとかね」
「むこう、だいじょうぶかな」
そのとき、ふと、ヤな予感 そっと後ろを振り向いたら…
「キャー!!」
ドカッ
「うわ!なに…」
「ワ、ワニ… キャー」
「ハァ?」
それはすでに消えていた。
「なんなんだよ、いったい…」
・・・・・・・・・・・・・・・
(ハァ、ハァ、みた、ぜったいワニだよ、アレ)
「ふうちゃん、やったよ!コイツ、チョーヨワー」
「ザッとこんなもんね」
「みんなすごい それにしてもまるでドブにおっこったみたい」
「墨汁鉄砲だよ」…と、足もとをみると、「ギャー、ミミズ、ミミズー!」
よけようとしたひょうしに、ソイツを思いきりふんずけたみたい。
「ヤッター、トドメはふうかでキマリ!」
「ふうちゃん、長いのキライだもんネー」
「でもこれキモイー」
「これはミミズじゃなくてイソメ」
「イソメって?」
「つりえさ、ってそれはそうとマリリン、どこいったんだろ」
「はっ マリリン? マリリンって?」
「ボクのペットのイグアナさ」
「イ、イグアナ!」
「ウッソー」
「オマエ、そんなの飼ってんの」
「はなしたらキケンじゃないの」
「べつに人間おそったりしないよ、草食性でおとなしいんだ」
「ふーん」
「発信機つけといたのに、ハズレちゃったみたいだな」
「どうすんのよ」
「とにかく捜さなきゃ、どっか草むらに入ったんじゃ」
「さがせ」
「アイツは」
「縛っときゃ動けないさ」
「オーイ、りょう、オマエも捜せ」
「何を」
「イグアナ、吉田の、逃げちゃったんだ 」
「イグアナ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・
(アーもうサイアク… もうあの場所いけないよ)
「アレ、ヘェ、これが墨汁鉄砲か」
ピュッ
「けっこう飛ぶじゃん」
「オーイ、君たち何してるんだ」
「エイッ」
ピュッ
「アッ」
「ワッ」
よけた涼くんは無事だったけど、後ろにいたオマワリさんにモロにあたってしまった。
「ヴ…ヤバ」
「コラー!」
「ヒャーなんだ」
「どうしたの」
「君達いったいここで、何しとると聞いてるだろが」
「ちょーどよかった、オマワリさん呼びにいこうと思ってたんですよ」
「そ、悪者つかまえたの」
「悪者?」
「アーでもその前に一緒にさがしてくれませんか、イグアナ」
「イグアナ?」
「そう、ボクのペットで逃げちゃったんです、たぶんこの辺にいると思うんだけど」
「そ、そりゃ大変だ、はやくつかまえねば」
「イグアナって、さっきのワニみたいの?」
「ふうか、みたのか」
「う、うん たぶん」
「どこ」
「あのね、あっちの茂みのほう」
「それ!」
「マリリンでておいで」
「… …」
「いないねー」
「ギャー!」
「なんだ?」
「あっちだ!」
みんないっせいに、そっちにいくと… なんとアイツの上に乗っかってる!
「いた、つかまえろ!」
「ダメだよ、ビックリさせたら逃げちゃうかも」
「マリリン、いまいくよ」
吉田くんはそっと近寄って、みごとマリリンをつかまえた。
「アーよかった、どうなるかと思っちゃった」
「フーまいったまいった」
「マリリンえらいぞ、やっぱ最後はマリリンで決まりだね」
「ヤッタ、ヤッター」
「これは…」
「オマワリさん、そいつがね…」
そして、あたしの犯人は無事つかまえることが出来た。
「みんな、ありがとね」
「なんのなんの、ふうかのためなら、なんだって」
「なーに、カッコつけちゃって」
こうして事件はめでたく解決したのでありました。
「ふうちゃん、これポケットに持ってて、もしピンチになったら、
犯人めがけて投げつける、いい?」
「…うん、でもこれなに?」
「コショウ」
「…コショウ」
「ふうか、もし急に襲われたら大声で叫べ、すぐオレがとんでってやるからさ!」
「ホー 頼もしいね」
「ハハ…」
(ホントにそんなことになったら…なんか急にコワくなってきた。
またあの時みたいになったら…)
涼くんを見たら、なにか考えてるのか深刻そうなカオしてた…
結局、その日は何も起きなかった。
次の日も、次の日も… やっぱりこんなことしてもムダだったのか、
犯人はもうあきらめたのか、
みんなが当然そう感じ始めたその日、とうとう作戦を実行するときがきた!
いつものように公園の前をとおりかかったとき、突然おナカのあたりに腕がのびてきて、
公園の中へ引きずり込まれてしまった。
声を出したいのに口をふさがれてしまって、それができない。
草むらの中に押し倒されてしまった。
「おとなしくしてくれたら何もしないよ」
(!お願い、みんなはやく気づいて!…アッそうだポケット…)
やっと手にふれた粉をそいつめがけて、思いっきり投げつけてやった。
「うわッ」
(やった…手がはなれた)
その時、べつの手が、あたしの手をひっぱった。
「はやく、こっちこっち」
「涼くん!」
「フー だいじょうぶ?ケガない?」
「うん、なんとかね」
「むこう、だいじょうぶかな」
そのとき、ふと、ヤな予感 そっと後ろを振り向いたら…
「キャー!!」
ドカッ
「うわ!なに…」
「ワ、ワニ… キャー」
「ハァ?」
それはすでに消えていた。
「なんなんだよ、いったい…」
・・・・・・・・・・・・・・・
(ハァ、ハァ、みた、ぜったいワニだよ、アレ)
「ふうちゃん、やったよ!コイツ、チョーヨワー」
「ザッとこんなもんね」
「みんなすごい それにしてもまるでドブにおっこったみたい」
「墨汁鉄砲だよ」…と、足もとをみると、「ギャー、ミミズ、ミミズー!」
よけようとしたひょうしに、ソイツを思いきりふんずけたみたい。
「ヤッター、トドメはふうかでキマリ!」
「ふうちゃん、長いのキライだもんネー」
「でもこれキモイー」
「これはミミズじゃなくてイソメ」
「イソメって?」
「つりえさ、ってそれはそうとマリリン、どこいったんだろ」
「はっ マリリン? マリリンって?」
「ボクのペットのイグアナさ」
「イ、イグアナ!」
「ウッソー」
「オマエ、そんなの飼ってんの」
「はなしたらキケンじゃないの」
「べつに人間おそったりしないよ、草食性でおとなしいんだ」
「ふーん」
「発信機つけといたのに、ハズレちゃったみたいだな」
「どうすんのよ」
「とにかく捜さなきゃ、どっか草むらに入ったんじゃ」
「さがせ」
「アイツは」
「縛っときゃ動けないさ」
「オーイ、りょう、オマエも捜せ」
「何を」
「イグアナ、吉田の、逃げちゃったんだ 」
「イグアナ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・
(アーもうサイアク… もうあの場所いけないよ)
「アレ、ヘェ、これが墨汁鉄砲か」
ピュッ
「けっこう飛ぶじゃん」
「オーイ、君たち何してるんだ」
「エイッ」
ピュッ
「アッ」
「ワッ」
よけた涼くんは無事だったけど、後ろにいたオマワリさんにモロにあたってしまった。
「ヴ…ヤバ」
「コラー!」
「ヒャーなんだ」
「どうしたの」
「君達いったいここで、何しとると聞いてるだろが」
「ちょーどよかった、オマワリさん呼びにいこうと思ってたんですよ」
「そ、悪者つかまえたの」
「悪者?」
「アーでもその前に一緒にさがしてくれませんか、イグアナ」
「イグアナ?」
「そう、ボクのペットで逃げちゃったんです、たぶんこの辺にいると思うんだけど」
「そ、そりゃ大変だ、はやくつかまえねば」
「イグアナって、さっきのワニみたいの?」
「ふうか、みたのか」
「う、うん たぶん」
「どこ」
「あのね、あっちの茂みのほう」
「それ!」
「マリリンでておいで」
「… …」
「いないねー」
「ギャー!」
「なんだ?」
「あっちだ!」
みんないっせいに、そっちにいくと… なんとアイツの上に乗っかってる!
「いた、つかまえろ!」
「ダメだよ、ビックリさせたら逃げちゃうかも」
「マリリン、いまいくよ」
吉田くんはそっと近寄って、みごとマリリンをつかまえた。
「アーよかった、どうなるかと思っちゃった」
「フーまいったまいった」
「マリリンえらいぞ、やっぱ最後はマリリンで決まりだね」
「ヤッタ、ヤッター」
「これは…」
「オマワリさん、そいつがね…」
そして、あたしの犯人は無事つかまえることが出来た。
「みんな、ありがとね」
「なんのなんの、ふうかのためなら、なんだって」
「なーに、カッコつけちゃって」
こうして事件はめでたく解決したのでありました。
20/01/15 13:37更新 / 風香