かぐや姫
2学期はどうということもなく過ぎていった。
ちなみに、あたしと水沢君との間も当然のことながら、なんの進展もない。
(っていうかむしろ後退してる?)やっぱあたしの一方的な片思いで終わってしまうのか。
まぁ それはさておき、文化祭の出し物が決まった。
今年は、歴史の授業に関することがらを劇にすることになった。
「では、うちのクラスは劇に決めます。いいですか?」
(なんで劇なんか そんなの演劇部にまかせときゃいいのに かったるい)
なんて思ってはみたけれど、まっ、どうでもいっか。
「で、何をやるかですけど、歴史にもとづくもので、何かいい案のある人いますか?」
「はい!シンデレラ!」
「はい?あのそれは歴史とはちょっと…」
「じゃ白雪姫!」
「それじゃディズニーだョ」
「タイタニック!」
「アキ、オマェ ラブシーン期待してネェ?」
「キャハ バレタか」
「マジメにいきます!男子はどうですか?」
「関が原の戦い!」
「織田信長」
「キリシタン弾圧とか」
「ヤダー」
「なにそれ、そんなのムズカシすぎー!」
「ぜんぜんわかんなーい!」(ギャーギャーさわがしい)
「静かにしてください!鏡さんはどうですか?何かないですか?」
「ハイ?あたし? あっ えーとぅ …かぐや姫」
「それって、よくやるんじゃない?」
「…それもあんまり歴史っぽくないんじゃ」
「いいんじゃん!古文の授業ってことにしちゃえば」
「オゥ そうだ そうだ それでいいって もう、めんどうじゃん」
「うんうん」
「そうそう」
「それでいい!」
「ではいいんですね?今回は歴史をやめ、古文の授業から、かぐや姫っていうか、
竹取物語ということにします。」
(ほよー いいのかな、あたしのに決まっちゃった…)
「では次に配役を決めたいと思います」
「まず、かぐや姫に立候補したい人いますか?」
「ハイ!鏡さんがいいと思います」
「ハイあたしも、ふうかがいい」
「異議なし!」(ムフフ、やっぱこれってあたしよね、ってそれヤバイ!)
「ちょっと!あたしお芝居なんて出来ないよ!」
「だいじょうぶだって!みんなやったことないもん!」
「そうそう軽い気でやればいいのさ」
「じゃ、きみがやりなよ」
「では鏡さん、お願いします」
「そんな…」(どうしよう…)チラッと、おとなりをみる。
水沢君はとなりの子と何か話してる。
彼とはあんまり口きいてない。
(あぁこんなにそばにいるのに、なんて遠い人なの)大体あの体育祭がいけない。
もう思い出すのもハラだたしい。
まったく最悪な日だった。
走るのチョーニガ手の私が、なんのまちがいかリレーに出されて、あともうちょっとの
ところで、みごとにコケて、みんなのあわれをさそった。
おマケに綱引きのロープが足につまずいて、ちょうど後ろにいた水沢君にぶつかった
ひょうしに、彼の背中におもいきり、しりもちをついてしまった。
一瞬わけがわからず、急にハッとして「ゴメン、ゴメンネ!大丈夫?」
「い、いいよ平気だって」
「ホントに大丈夫?」
「うん、ホントに」
そして最後の決定打。
その日の帰り道で同じクラスのあいちゃんが「ねぇ ふうちゃん、ふうちゃんにちょっと
聞きたいんだけど」
「なに?」
「水沢君って、あなたの彼?」
「えっ?のハズないじゃない、なにそれ」
「ちがうの、じゃあ、あたしが彼にアタックしてもいいわけよね」
「?!」
「よかった!いちおう、ふうちゃんに確かめないと、と思って、じゃね」
(オイちょっと、なんだよソレ、いいもなにも始めから、あたしたち何でもないって
何かうわさでも、されてたんだろか・・・)
もう、ふうかのバカ!どうして心にもないことを。
でもあたしには、どうすることもできない。あれから彼女どうしたのか知らないけど、
あたしの心はなんとなくモヤモヤして・・・
「では明日の放課後、打ち合わせ、それから練習に入りますので、
みんな文化祭まで協力お願いします」いつのまにか、みんな終わってた。
「ふうちゃん、帰ろう」
「うん」
「すごいねふうちゃん、ヒロインだよ!」
「うん…テヘヘ、でも出来るか心配だよ、ホラ、あたしってすごいアガリ症じゃん」
「ううん大丈夫だよ、ぜったいできるって!」
「……」
「ねぇ それよかふうちゃん、最近元気ないよ、なんか悩みでもあるの?」
「べつに」
「水沢君とケンカでもしたの?」
「なにそれ、ぜんぜんマトハズレ、大体、彼とはなんにも…」
「そうそう、そういえば水沢君、今度の文化祭でバンドやるんだって?」
「えっ?!」
「知らなかったの?なんでもね、ブラバンのメンバーでバンド作って、その中に
とびいりでやるんだって!」
(水沢君が…ギターやるのかな、それともヴォーカルだったりして
音楽、好きだったんだ・・・)
ちなみに、あたしと水沢君との間も当然のことながら、なんの進展もない。
(っていうかむしろ後退してる?)やっぱあたしの一方的な片思いで終わってしまうのか。
まぁ それはさておき、文化祭の出し物が決まった。
今年は、歴史の授業に関することがらを劇にすることになった。
「では、うちのクラスは劇に決めます。いいですか?」
(なんで劇なんか そんなの演劇部にまかせときゃいいのに かったるい)
なんて思ってはみたけれど、まっ、どうでもいっか。
「で、何をやるかですけど、歴史にもとづくもので、何かいい案のある人いますか?」
「はい!シンデレラ!」
「はい?あのそれは歴史とはちょっと…」
「じゃ白雪姫!」
「それじゃディズニーだョ」
「タイタニック!」
「アキ、オマェ ラブシーン期待してネェ?」
「キャハ バレタか」
「マジメにいきます!男子はどうですか?」
「関が原の戦い!」
「織田信長」
「キリシタン弾圧とか」
「ヤダー」
「なにそれ、そんなのムズカシすぎー!」
「ぜんぜんわかんなーい!」(ギャーギャーさわがしい)
「静かにしてください!鏡さんはどうですか?何かないですか?」
「ハイ?あたし? あっ えーとぅ …かぐや姫」
「それって、よくやるんじゃない?」
「…それもあんまり歴史っぽくないんじゃ」
「いいんじゃん!古文の授業ってことにしちゃえば」
「オゥ そうだ そうだ それでいいって もう、めんどうじゃん」
「うんうん」
「そうそう」
「それでいい!」
「ではいいんですね?今回は歴史をやめ、古文の授業から、かぐや姫っていうか、
竹取物語ということにします。」
(ほよー いいのかな、あたしのに決まっちゃった…)
「では次に配役を決めたいと思います」
「まず、かぐや姫に立候補したい人いますか?」
「ハイ!鏡さんがいいと思います」
「ハイあたしも、ふうかがいい」
「異議なし!」(ムフフ、やっぱこれってあたしよね、ってそれヤバイ!)
「ちょっと!あたしお芝居なんて出来ないよ!」
「だいじょうぶだって!みんなやったことないもん!」
「そうそう軽い気でやればいいのさ」
「じゃ、きみがやりなよ」
「では鏡さん、お願いします」
「そんな…」(どうしよう…)チラッと、おとなりをみる。
水沢君はとなりの子と何か話してる。
彼とはあんまり口きいてない。
(あぁこんなにそばにいるのに、なんて遠い人なの)大体あの体育祭がいけない。
もう思い出すのもハラだたしい。
まったく最悪な日だった。
走るのチョーニガ手の私が、なんのまちがいかリレーに出されて、あともうちょっとの
ところで、みごとにコケて、みんなのあわれをさそった。
おマケに綱引きのロープが足につまずいて、ちょうど後ろにいた水沢君にぶつかった
ひょうしに、彼の背中におもいきり、しりもちをついてしまった。
一瞬わけがわからず、急にハッとして「ゴメン、ゴメンネ!大丈夫?」
「い、いいよ平気だって」
「ホントに大丈夫?」
「うん、ホントに」
そして最後の決定打。
その日の帰り道で同じクラスのあいちゃんが「ねぇ ふうちゃん、ふうちゃんにちょっと
聞きたいんだけど」
「なに?」
「水沢君って、あなたの彼?」
「えっ?のハズないじゃない、なにそれ」
「ちがうの、じゃあ、あたしが彼にアタックしてもいいわけよね」
「?!」
「よかった!いちおう、ふうちゃんに確かめないと、と思って、じゃね」
(オイちょっと、なんだよソレ、いいもなにも始めから、あたしたち何でもないって
何かうわさでも、されてたんだろか・・・)
もう、ふうかのバカ!どうして心にもないことを。
でもあたしには、どうすることもできない。あれから彼女どうしたのか知らないけど、
あたしの心はなんとなくモヤモヤして・・・
「では明日の放課後、打ち合わせ、それから練習に入りますので、
みんな文化祭まで協力お願いします」いつのまにか、みんな終わってた。
「ふうちゃん、帰ろう」
「うん」
「すごいねふうちゃん、ヒロインだよ!」
「うん…テヘヘ、でも出来るか心配だよ、ホラ、あたしってすごいアガリ症じゃん」
「ううん大丈夫だよ、ぜったいできるって!」
「……」
「ねぇ それよかふうちゃん、最近元気ないよ、なんか悩みでもあるの?」
「べつに」
「水沢君とケンカでもしたの?」
「なにそれ、ぜんぜんマトハズレ、大体、彼とはなんにも…」
「そうそう、そういえば水沢君、今度の文化祭でバンドやるんだって?」
「えっ?!」
「知らなかったの?なんでもね、ブラバンのメンバーでバンド作って、その中に
とびいりでやるんだって!」
(水沢君が…ギターやるのかな、それともヴォーカルだったりして
音楽、好きだったんだ・・・)
19/12/16 11:50更新 / 風香