連載小説
[TOP][目次]
その頃。〜緑青、紅〜
恵side

緑青色、か……
なんていうか、微妙な色だな……
緑っていうか青っていうか…
金属の錆の色だよな、これ。
なんでこんな色まで入ってるんだ……?

「よっ恵!」
「ん?」

考え事をしていた私の背後から、聞き慣れた声がした。私は後ろを振り向いた。
あぁ。やっぱりこいつか。
いつもどーりニコニコしてなんか鼻唄歌って手をヒラヒラさせて…。
はぁ。なんでよりによってこんな時にもこの赤メガネなんだ?

「はぁ。なんだ圭輔か。」
「はい圭輔ですがそれがどうかいたしましたか?」

あぁ。うざい。なんか凄く腹が立つ。
やっぱりこいつといると腹立つ。

そんなうざい圭輔は、眼鏡と同じ赤色の服を着ていた。
いや、赤というより、紅か?
……どっちもそんなに変わらないか。

「恵は緑青か……金属の錆の色だな♪」
なぜ私と同じことを考える……

あぁ。
やっぱりこいつといると……

すごく、腹が、立つ。
14/05/20 22:21更新 / 美鈴*
前へ 次へ

■作者メッセージ
緑青は「ろくしょう」って読みます。

TOP | RSS | 感想 | 目次 | メール登録

まろやか投稿小説 Ver1.53c