ねこのみるゆめ。4.
『だから本当にいないんです。』
むすっとした顔で松澤さんは言い張るけれど…
『…顔、紅いぞ〜』
苦笑いしながら言ってみれば。
『へっ……!?そっそんなことないですっ!』
そんなこと言ってるけど。
顔、まじでまっかっか。
いじりがいがあるなぁ…
『やっぱりいるんだ〜♪』
『だからいませんっ!』
『えーまさか中川君だったり??』
『……はぁ?』
…ん?
予想したのとちょっと違う。
予定通り行けば
『ちっ…違いますって!!』
と顔を真っ赤にした松澤さんが必死に反論するはずなんだけどな…?
それが。
なーんか冷めたような顔をして、
『なんであんなオカマとなんですか…。
そうですよね。所詮私なんてあんなやつとしか似合わないですよね……』
あげくの果てには落ち込んじゃった…
『いやいや冗談冗談…
いや…いつも楽しそうに二人で喋ってるからもしかして…?って思っただけだから。』
ははは、と笑ってみる。
『……その台詞、もう聞き飽きましたぁ〜
一体何人の人から何回同じことを言われたことか……
そんなにそういう風に見えるんですか〜
…それに……あ、いやなんでもありません』
ふっ。
とうとう墓穴を掘ったな松澤さん。
『まぁそういう風に見えなくもない。んで…【それに】の続きは??』
ニヤニヤしながら聞いてみれば。
あっしまった、という顔をする松澤さん。
うん。やっぱりいじりがいがある。
『続きなんて…ありませんよ??』
うわぁ。満面の笑みで返して来やがった。
『【それに】は接続詞なのに続きがない。文法的におかしいっすよねぇ〜
そ・れ・に、その後に松澤さんが言った【何でもありません】が気になるなぁ〜♪』
こちらも満面の笑みで、からかってみる。
『………。
…練習しますよ。
先輩、部活に来てから何も吹いてないじゃないですか。
少しぐらい練習しましょう!』
あ。
話そらした。
『まだ話終わってないんだけ『ブォーーーーー』
俺の台詞はホルンの音で遮られた。
…そこまで隠したいのかよ。
ははっ。
………なら意地でも聞いてやるっ!!
十分後。
『はーいきゅーうけーい』
『え!?早くないですか!?まだ十分しか『さーてさっきの続きだね〜♪』
はぁ……とふかーいため息が聞こえた。
『分かりました。認めます。好きな人います。』
おお。ついに。…で……
『誰??』
『自分で考えてください』
…そう来たか。
なら。
『何部??』
『さぁ。』
『一年生??』
『さぁ。』
『…吹奏楽部?』
『さぁ。』
…何言っても『さぁ。』としか言ってくれないな…
うぅ…面白くない。
…ならいっそ。
俺はナルシスとなんかじゃないけど言ってみよう。
『…俺…とか??』
『さぁ。…ぇ……!?』
硬直する松澤さん。
いきなり、ふっと微笑むと、
『…そうだったら…どうしますか??』
なんて聞いてくる。
『…ぅえ!?ちょっほんとに…!?』
えっ!?ふざけて言ったはずなのに!?
えっ…まじで?
パニックに陥る俺。
そんな俺を松澤さんは表情を変えずに見ていた。
と、そっぽを向いて。
『嘘ですよ。何慌てちゃってるんですか。
ふふっ。顔紅いですよ〜
そんな事でパニックになっちゃって…かーわいー♪』
うっ…嘘!?…ですよね〜
…っていうか…可愛いって……
密かに傷つく俺。
『……可愛いとかうそですって。
本気にしてました??』
あはははは…松澤さんは、朗らかに笑った。
『……好きな人、ですか……
まぁ……先輩がよく知る人物、ですかね…』
『ふーん…まぁ応援してるからな!』
そう言えば、松澤さんは少し寂しそうにして、
『……叶うなんてこと、ないでしょうから。
二人で幸せになる、そんなことはできないですよ…。』
そう、少しあきらめたように言った。
…なんかここでちょっといいこと言ってみたらかっこよくない??
唐突にそんな事を思い付いた。
…という訳で、言ってみた。
『……松澤さんの幸せ…って、何??』
『幸せ…ですか??』
ふむ、と考える松澤さん。
『…好きな人と話せる毎日、ですかね。』
『…俺が思うにさ。
幸せって、日常の中に詰まってるんだよ。
それなのに、それに気付かずに幸せになりたいといい続ける人はたくさんいる。
…なんでなんだろうな。』
『…なぜなんでしょうね。
ことわざでいう、灯台元暗しってものですかね。』
しばらくの、沈黙が続いた後、松澤さんは俺に聞いた。
『…先輩にとっての幸せって…なんですか??
日常の…何が幸せですか??』
『俺にとっての幸せ……それは……』
(松澤さんと……。……うん?)
「うにゃ!?」
飛び起きた。
…また、あの夢か……。
むすっとした顔で松澤さんは言い張るけれど…
『…顔、紅いぞ〜』
苦笑いしながら言ってみれば。
『へっ……!?そっそんなことないですっ!』
そんなこと言ってるけど。
顔、まじでまっかっか。
いじりがいがあるなぁ…
『やっぱりいるんだ〜♪』
『だからいませんっ!』
『えーまさか中川君だったり??』
『……はぁ?』
…ん?
予想したのとちょっと違う。
予定通り行けば
『ちっ…違いますって!!』
と顔を真っ赤にした松澤さんが必死に反論するはずなんだけどな…?
それが。
なーんか冷めたような顔をして、
『なんであんなオカマとなんですか…。
そうですよね。所詮私なんてあんなやつとしか似合わないですよね……』
あげくの果てには落ち込んじゃった…
『いやいや冗談冗談…
いや…いつも楽しそうに二人で喋ってるからもしかして…?って思っただけだから。』
ははは、と笑ってみる。
『……その台詞、もう聞き飽きましたぁ〜
一体何人の人から何回同じことを言われたことか……
そんなにそういう風に見えるんですか〜
…それに……あ、いやなんでもありません』
ふっ。
とうとう墓穴を掘ったな松澤さん。
『まぁそういう風に見えなくもない。んで…【それに】の続きは??』
ニヤニヤしながら聞いてみれば。
あっしまった、という顔をする松澤さん。
うん。やっぱりいじりがいがある。
『続きなんて…ありませんよ??』
うわぁ。満面の笑みで返して来やがった。
『【それに】は接続詞なのに続きがない。文法的におかしいっすよねぇ〜
そ・れ・に、その後に松澤さんが言った【何でもありません】が気になるなぁ〜♪』
こちらも満面の笑みで、からかってみる。
『………。
…練習しますよ。
先輩、部活に来てから何も吹いてないじゃないですか。
少しぐらい練習しましょう!』
あ。
話そらした。
『まだ話終わってないんだけ『ブォーーーーー』
俺の台詞はホルンの音で遮られた。
…そこまで隠したいのかよ。
ははっ。
………なら意地でも聞いてやるっ!!
十分後。
『はーいきゅーうけーい』
『え!?早くないですか!?まだ十分しか『さーてさっきの続きだね〜♪』
はぁ……とふかーいため息が聞こえた。
『分かりました。認めます。好きな人います。』
おお。ついに。…で……
『誰??』
『自分で考えてください』
…そう来たか。
なら。
『何部??』
『さぁ。』
『一年生??』
『さぁ。』
『…吹奏楽部?』
『さぁ。』
…何言っても『さぁ。』としか言ってくれないな…
うぅ…面白くない。
…ならいっそ。
俺はナルシスとなんかじゃないけど言ってみよう。
『…俺…とか??』
『さぁ。…ぇ……!?』
硬直する松澤さん。
いきなり、ふっと微笑むと、
『…そうだったら…どうしますか??』
なんて聞いてくる。
『…ぅえ!?ちょっほんとに…!?』
えっ!?ふざけて言ったはずなのに!?
えっ…まじで?
パニックに陥る俺。
そんな俺を松澤さんは表情を変えずに見ていた。
と、そっぽを向いて。
『嘘ですよ。何慌てちゃってるんですか。
ふふっ。顔紅いですよ〜
そんな事でパニックになっちゃって…かーわいー♪』
うっ…嘘!?…ですよね〜
…っていうか…可愛いって……
密かに傷つく俺。
『……可愛いとかうそですって。
本気にしてました??』
あはははは…松澤さんは、朗らかに笑った。
『……好きな人、ですか……
まぁ……先輩がよく知る人物、ですかね…』
『ふーん…まぁ応援してるからな!』
そう言えば、松澤さんは少し寂しそうにして、
『……叶うなんてこと、ないでしょうから。
二人で幸せになる、そんなことはできないですよ…。』
そう、少しあきらめたように言った。
…なんかここでちょっといいこと言ってみたらかっこよくない??
唐突にそんな事を思い付いた。
…という訳で、言ってみた。
『……松澤さんの幸せ…って、何??』
『幸せ…ですか??』
ふむ、と考える松澤さん。
『…好きな人と話せる毎日、ですかね。』
『…俺が思うにさ。
幸せって、日常の中に詰まってるんだよ。
それなのに、それに気付かずに幸せになりたいといい続ける人はたくさんいる。
…なんでなんだろうな。』
『…なぜなんでしょうね。
ことわざでいう、灯台元暗しってものですかね。』
しばらくの、沈黙が続いた後、松澤さんは俺に聞いた。
『…先輩にとっての幸せって…なんですか??
日常の…何が幸せですか??』
『俺にとっての幸せ……それは……』
(松澤さんと……。……うん?)
「うにゃ!?」
飛び起きた。
…また、あの夢か……。
14/06/05 23:36更新 / 美鈴*