原田side

…それにしても、寒いなぁ…
吹雪いてるし、雪積もってるし。
ずっとここにいたら凍え死ぬんじゃないのか？

…さーて。
あいつらバカップルいわく泣いてる小原さんに連絡取るか……

「小原由希…小原…あ、あったあった」
名簿から難なく小原さんを見付けて、通話ボタンを押す。
一回目のコール音が鳴り止まないうちに、相手と繋がった。
『先輩っ！今どこにいるんですかっ！？なんで繋がらなかったんですかっ！？これからどうしたらいいんですか！？？』
繋がった途端に聞こえる涙声、相当焦ってる……
「小原さん。とりあえず落ち着け。」
そんなに一気に色々まくし立てられてもな。俺も困る。正しい判断もできなくなる。いいことないぞー
『でもっでもっ……！！』
小原さんのいつもの落ち着いたスタンスとはうって変わって、
こんなに焦ってる…というかパニクってる小原さんなんて見たことも…いや、聞いたこと今までなくて、
俺もどうしたらいいかわからない。
とりあえず。
「はいはい。落ち着いて深呼吸しようか。はい吸ってー吐いてー…」
他人にも自分にもよく使う方法で落ち着かせようとしてみる。
しばらく声が聞こえなくなった。

■作者メッセージ
いや、この物語の中で既に十分に焦ったりパニクったりしてる気がするんですけど。

…この次辺りからテンションおかしくなると思われます。
いつものわりとシリアス調の文章が好みのお方はご注意を。(笑)