連載小説
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突然の来訪〜群青〜
葉月side

「今彩野たち何してるかな〜?」
「さぁね…二人で楽しくやってるんじゃない?」
「そうだね!」

私は今、陽くんと二人で道を歩いてる。
謎解きのヒントもわからない今、どうすることもできない私たち。
「生徒会長、どこにいるのかなぁ…」
生徒会長がヒントを教えてくれる、っていう噂がある。
だから、生徒会長に会えば何かわかるかもしれないけど…

「会ったからといって、ヒントが絶対にもらえるって訳でも無いでしょ?
僕は、あまり期待しない方がいいと思うけど?」
「うーん…けど…」
会ったらきっと何かあるんじゃないのかなぁ……?

「まぁとりあえず歩いていれば何か見付かるだろ」
「そうだね…」

ふと、陽くんが立ち止まった。
「どうしたの?」
不思議に思って訊いてみると…

「あーぁ。気付かれちゃったかぁ…」
後ろから聞き覚えのある少し高めの呑気な声。

「春花先輩!!」
そう。さっき話していた、生徒会長様がいつの間にか私たちの後をつけていたみたい…

「さっき話してたみたいだけど、生徒会長がヒントをくれるっていうのは本当にただの噂だよ?だって、ほら」
先輩は自分の服の裾を拡げて見せた。
緑っぽい色で私たちとは違うけれど、私たちと同じユニフォームに身を包んでいた。

「私だって、緑青チームとして参加してるのに、他のチームにヒントをあげるわけにはいかないでしょ?それに…」
ふぅ、と先輩はため息をつく。

「生徒会長って、このゲームに最後まで生き残れた、なおかつそこそこ優秀な成績を修めた生徒がなるの…
だから、こういう噂が流れたのかもね…」

「なるほど…ゲームをクリアした生徒会長なら、ヒントを知っているはず…
そう、勝手にみんなが思い込んで…」
陽くんは納得したように頷いた。
「まぁそういうところかな?
ところで……」

春花先輩が急にニヤつき始める。
…なんだか嫌な予感。

人がこういう顔をしてる時って…
大抵、訊いてくることは決まってる…

「二人とも、いい雰囲気だったけど、何?両想いだったりするの〜!?」
「はぁ………」

やっぱり。
陽くんと顔を見合わせて、もう一度ため息をつく。
「僕たちは違いますんで。
そういうのを期待するなら、他を当たってください…」
陽くんは少しうんざりした様子で言った。

14/05/27 21:55更新 / 美鈴*
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