「朝起きて、部屋の窓を開けた。

快晴の、空。
雲ひとつない、透き通るような綺麗な青が、空を覆っていた。

…そういえば、先輩と最後に会った日も、
最初に会った日も。
こんな空だったなと、
少し思い出に浸った。

幸せだった日々。
もう、二度と戻らない日々を。
思い返すのは、幸せだったけれど、
少し切なかった。


『…あれって……猫？』
庭を見れば、白い猫が一匹、
こちらをまじまじ見ていた。
猫は、にゃあと鳴いたかと思うと、
塀を登って、どこかへ行ってしまった。

『白猫、かぁ……』
私は、猫のいた方を見て呟いた。

『猫、飼ってみようかな。』」

■作者メッセージ
…飼ってみよう、って言って
簡単に飼える訳ではありませんね…はい。