連載小説
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「お話」25.
「部活に来てみれば
紙がいっぱい、無造作に詰められた棚。
それが私のものだと気付くと、今まで意識していなかった、その汚さに、私は思わず息を飲んだ。

片付けようとして、折り畳まれた紙を一枚取り出そうとする。
一枚を引っ張った瞬間、他の紙もドサドサと一緒に落ちてきた。
『うわぁ…これ、どうしよう…』

とりあえず内容を確認しようと、
私は最初に引っ張った一枚をゆっくりと開いていった。

あ…これって…
『先輩からの…手紙……』

山脇先輩から、手渡された手紙だった。

【松崎さんへ

  …ごめんな。
  色々心配かけたよな。

  俺が事故に遭ってなかったら、今俺は松崎さんの隣で、いつも通り笑ってたのかな?
  ごめんな。心配とか迷惑とかかけて。

  また怪我が治ったら、部活に行きたいなと思ってる。
  久しぶりにホルンが吹きたいなって思ってるから
  それまで、手入れとか任せてもいいかな?
  松崎さんだったら、快くやってくれると思う。期待してます。

  また怪我が治ったら、絶対に部活行くし、
  その時は暖かく迎え入れてやってくれ。(笑)

  これからもうしばらく、俺はそっちに行けないので 
  …練習頑張ってな。

          齋藤 光希

 P.S.
  もし俺が戻ってこれなかったら、俺のホルンは松崎さんが使ってな。
  死人はホルンを扱えないし、誰かに使ってもらった方が、ホルンも喜ぶだろうしな。
  ま、俺はちゃんと戻って来るけどな。】」
14/06/30 22:09更新 / 美鈴*
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