ポエム
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静かに始まった僕らのroad


ビルの合間を吹き抜ける風に
僕らの愛が動き出す

ひんやりと秋の気配
キミの可憐な半袖の見納め
繋がれた手揺れるごとに
キミの体温、吐息
ぜんぶ感じて
キミが左にいることにすら
秘密の宿る高い空

大丸からLUCUAへの
空中回廊に踊り出る
眼下にはJRの梅田駅
ゆったり行き交う電車に
近くなった気のする青い空
もう入道雲はないねとキミの
優しい哀しみがじんと重なる
憂い漂う始発音
萎れてしまったヒマワリ
消えていくツクツクボウシ
空の水色に吸い込まれるようで

やがて来る冬には暖炉の傍で
君は厳かにコートを脱ぐのだ
艷やかな髪の黒は妖しくって
半袖のキミの二の腕は玉虫のよう―

そんな冬の奇跡へと
静かに始まった僕らのroad

寂寥がしっとりと愛おしくなる頃には
果てない銀杏並木を2人歩こうか
キミをピタリと縁取る長袖のベージュが
銀杏の臭みとともに在ることの至福よ

続いてくキミの笑顔はSun
移ろってくキミの瞳はMoon

どこでもないような空を見つめながら僕に
触れるキミの右肩の柔らかさは、まるで―

"Love"

23/09/30 10:54更新 / はちみつ



談話室

■作者メッセージ
2023.9/30改稿。

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