淡い夏影 一夏のダンス
遠い目をして、眺めている
二度と戻りはしない、一夏のダンス
淡い夏影 絡み合う白と褐色の手首
たくさんの人にお世話になってきた
いいこともたくさんあった
えもいえぬ優しさに触れた夜もある
けれどそんな、甘い甘い記憶だけがない
といって、今すぐに青春を取り戻すのだと気張るでもなく
もちろん、そんな幼稚なものなど必要ないと強がるわけもない
しわがれた老女が少女時代を語るとき
まさにそのときこそが
この頭を垂れるにふさわしいときなのだと
そう私は襟元を正す
もう訪れないようで
しかし訪れそうでもあるような
そんな遅すぎる青春を
やはり残影のようにして
この瞳で焦がれてゆく
二度と戻りはしない、一夏のダンス
淡い夏影 絡み合う白と褐色の手首
たくさんの人にお世話になってきた
いいこともたくさんあった
えもいえぬ優しさに触れた夜もある
けれどそんな、甘い甘い記憶だけがない
といって、今すぐに青春を取り戻すのだと気張るでもなく
もちろん、そんな幼稚なものなど必要ないと強がるわけもない
しわがれた老女が少女時代を語るとき
まさにそのときこそが
この頭を垂れるにふさわしいときなのだと
そう私は襟元を正す
もう訪れないようで
しかし訪れそうでもあるような
そんな遅すぎる青春を
やはり残影のようにして
この瞳で焦がれてゆく