辺境の町から手紙を届ける
背丈が180cmあったら
人生は変わったろうか とか
顔がもう少し良ければ
もっとモテただろうか とか
他人を従えたところで、何でしょう?
たくさんの人から好かれたところで、何でしょう?
…
と、思うのだけど どうしてなかなか
悩み考えることは止められない
毎朝起きて顔を洗う
無心になって仕事をする
仲間と他愛ない話をする
そうして休日の午後なんかには
窓の外を眺めてぼんやりする
ルックスとはなんの関係もない事柄で
日々の99%は進んでゆく
なのに隙間風のような1%を
僕らはいちいち引きずってしまい
そんな日々の1%が 長い歳月のあいだに
僕らの胸に 無数の穴を開けてゆく
僕らはそうして いつの間にか傷ついている
けれど、そうして歩いてきたなかで
30を超えてからと遅かったものの
譲るということの尊さを、僕は知った
そっとしておいてもらえることの安らぎも
もうあと少しで飲み込めるはずだ
主役を張れない自分ってやつと
ようやく僕は和解しつつある
そんな僕は、定住者なのに旅人気分で
辺境の町から手紙を届けるような
そんな詩を語ってみたいと願っている
語ることは、ときに傷跡をうずかせる
そして傷は了解し切られることはない
だからそれはときに人をして
"語っていながらに孤独に"させる
だったら―
だったら僕は、その孤独を
最果ての村まで抱いてゆこう
真冬の空へとまっすぐ上ってゆくような
白い吐息のような言葉だけを、探して
それがただ1人にでも届けばいい
―とまでは思えはしないけれど
ささやかな紐帯さえあれば
僕は十分だ
人生は変わったろうか とか
顔がもう少し良ければ
もっとモテただろうか とか
他人を従えたところで、何でしょう?
たくさんの人から好かれたところで、何でしょう?
…
と、思うのだけど どうしてなかなか
悩み考えることは止められない
毎朝起きて顔を洗う
無心になって仕事をする
仲間と他愛ない話をする
そうして休日の午後なんかには
窓の外を眺めてぼんやりする
ルックスとはなんの関係もない事柄で
日々の99%は進んでゆく
なのに隙間風のような1%を
僕らはいちいち引きずってしまい
そんな日々の1%が 長い歳月のあいだに
僕らの胸に 無数の穴を開けてゆく
僕らはそうして いつの間にか傷ついている
けれど、そうして歩いてきたなかで
30を超えてからと遅かったものの
譲るということの尊さを、僕は知った
そっとしておいてもらえることの安らぎも
もうあと少しで飲み込めるはずだ
主役を張れない自分ってやつと
ようやく僕は和解しつつある
そんな僕は、定住者なのに旅人気分で
辺境の町から手紙を届けるような
そんな詩を語ってみたいと願っている
語ることは、ときに傷跡をうずかせる
そして傷は了解し切られることはない
だからそれはときに人をして
"語っていながらに孤独に"させる
だったら―
だったら僕は、その孤独を
最果ての村まで抱いてゆこう
真冬の空へとまっすぐ上ってゆくような
白い吐息のような言葉だけを、探して
それがただ1人にでも届けばいい
―とまでは思えはしないけれど
ささやかな紐帯さえあれば
僕は十分だ