ポエム
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世界の片隅の、ささやかな駅にて
のんびりと生きる でもなくて
手探りで必死に でもなくて
幸福という名の土台にしかと乗っかって
その上で詩(うた)を「模索」していけたらな

笑われることを承知で言うのだけど
"どうのこうので幸せ"って気持ちからは
どうやら逃れられそうになくって

勝利の栄光があるわけでも
甘やかな恋の渦中にいるわけでもない

だけど

だけど、ふと思うんだ
自分はこの世界の片隅の
ささやかな駅にいるようなものだって

人々を乗せた列車はこの駅に止まりもせず
僕の存在に気もとめないままに去っていく

けれど時折車両の少ない列車が止まって
少なからぬ人々が降りてくる
やはり足早に通り過ぎる人が多いけれど
立ち寄って白い歯を見せてくれる仲間もいる

来る日も来る日も、仲間は同じ
話題もなんだかループしてる
だけど僕は笑っている
目尻を下げて笑っている

語ることそのものを目的のようにして
そうして日々を明日へと
たしかな緩やかさで繋ぐように

僕らはみな、あの青空の下にいる―
それを想えば
僕らの笑顔はそよ風みたいなものだね

僕らはみな、あの青空の下にいる
僕らも そして
遠ざかってゆく人々も

向かいのホームで列車を待つ君
可憐な制服姿の君と目が合ったから
今宵は君を詩ってみようか

君を乗せた列車が
ゆったりと1日へと滑り出してゆく

がらんとしたホームに吹いた
風は哀しいくらいに澄んでいて
遠くを見つめるような目の
視線の先の、淡い優しさ―
23/05/22 20:17更新 / はちみつ



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