ポエム
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とびきりのキメ角度で
自分ってやっぱり、人との"あいだ"に宿るもの。そうスパッと捉えることは、自意識グルグルへの格好の薬。

付き合う(恋人に限らず)相手によって自分も変わる。彼(彼女)といるときしか現れない自分がいる。

色んな人と関わっているときの自分をしかと思い出してみる。思い出しているうちに、自分があたかも1人の他人のように思えてきたらしめたもの。あなたはもうすでに、自意識の檻の扉をこじ開けつつある。

あなたもまた、1人の他人。じゃあいま考えてる自分は?なんてことは考えなくたっていい。だってそれは、誰にも認識され得ない、あってないようなものでしょう?

自意識グルグルが厄介なのは、自分というものの奥行きが定かじゃなくなって、奥の奥の奥すらあるかのように感じられてくるところだ。

他人のように、色んな人といる自分を眺めているあなたは、いわば自分を突き放せている。あなたはいわば、人ごとに見せる角度の違う多面体。まだ磨けていない面もあるけれど、それはあくまで平面だ。そんな数ある面を―既知の面であれ未知の面であれ―磨くことに、あなたの力を思う存分傾けよう。

そうしていつか大切な人に出逢った日には、とびきりのキメ角度で、あまたの煌めくあなたを見せてあげなよ。
23/05/18 18:14更新 / はちみつ



談話室

■作者メッセージ
自意識という茫漠としたものではなく、人への振る舞いという、はっきりと表出され得るものにフォーカスし、そこから自分というものを編み上げてみよう―そんな提案です。ほとんど自分に言い聞かせるようにして書きました(苦笑)

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