ポエム
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ちょっと感傷的になって
さすがに去年、「また遊ぼな~」って、そう快く別れたばかりの友人の女性から、そのすぐ後に理由を告げられないままメールが返ってこなくなった、そのときほどとまでは言えないまでも、ここ数年でその次くらいには哀しいはずの、そんな出来事に、君は最近見舞われた。

"はずの"と書いたのにはワケがある。実は、実際には君はそんなに哀しくなかったりするよね。そんなもんか、そういうこともあるさ、って、受け流すことができてる、その感じ。その感覚、覚えておいて損はないぜ。

毎朝1時間の座禅を4年近く続けてきて、何が変わってるんだろ?って君はめげることもあったけど、アレ?、君、何気に図太くなってないかい?

詩だってそうだ。4年前ここに書き始めたときに比べたら、内容は豊富になってるし、表現にも深みが出ている―と、僕は思うな。

とはいえ、そうして得てきたものを足し算したところで、ことにこんな風もない蒸し風呂のような午後には、そうして傷つき続けていくだろう人生ってやつが、とことん嫌になるものだよね(君の気だるげな歩き方といったら!)。いまの君に必要なのはもしかしたら、ただ1つの本質のようなものかもしれない。いまから言うことは、そう思った上での僕からのおせっかいだ。

たしかに生きることは、肉体的にも精神的にも疲弊していくことだと言える。でもそうして様々なものを失っていく渦中でさえ、君はかけがえのないものをその胸に得ていくことができる。

胸にこびりついて取れない哀しみや悔しささえも、優しい陽だまりのような懐かしさとともに思い出される―そんな時が、遠いいつの日かきっと来る。そのとき過去を、人を、慈父のように許せる君自身こそが、ほかでもなく君がその人生を賭けて得ることのできる宝物だ。そのとき君はその胸に、海のように広く深く揺らめいて、そうして優しく煌めく"人生"を抱くんだ。
23/05/15 17:39更新 / はちみつ



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