その胸をバラ色に染め上げて
戸口の外は銀世界
しいんと2人
暖炉のそば
そっと目を瞑る君
君をじんと見つめてる僕
この期に及んで
僕は君が分からない
戸口が開いて"はい、カット!"
監督が押しかけてでもきたら
僕らの過去はただのシナリオになって
この愛はただの茶番になっちまうんじゃないか
何事もなかったかのように
いままでのことが全部
何事もなかったかのように
澄まし顔で立ち去る君
目に浮かぶようで
馬鹿馬鹿しくって目なんか瞑れない
マイペースな君の
君だけのスペース
僕がけして入ることのできない場所
この期に及んでまた
君は「そこ」に憩いだした
せめて僕の
この視線が熱いあいだくらいは
その胸をバラ色に染め上げて
僕だけの君になっておくれよ