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LINE、思考と自意識の迷宮
たとえばLINEで丁寧にお願いをしたのに、ぞんざいな断りの返信が一行来ただけ―そんなことが近いうちに2回あったとする。そして3回目の昨日も、あなたは同じような一言返信を受け取った。あなたの胸には軽んじられたような憤りが渦巻いている。さあ、あなたはどうする?

@人はいつでもというわけにはいかなくとも、基本一定以上の誠意をもって人に接する義務がある―そんな旨を説教する。

A腰を低くして、断る際には軽くでいいので、なにかしら理由を添えてもらえないかとお願いする。

答えはもちろん、A(笑)。これはもう、絶対のようなものだと思う。でも考えてみれば、@の中身はもっともだ。つまり@はある意味で正しい。だけど僕(ら)は@が明らかにズレていることが分かる。

こういうとき、僕はなぜ@じゃダメなんだろうと考え始めてしまうことがよくある。それはもちろん胸のわだかまりや、自分が下手に出なくちゃならないことに対する不服感ゆえだ。

けれどわさまざまな観点から捉えなくちゃならないだろうこういう問題は、僕には―そしておそらくは他の多くの人たちにとっても―複雑すぎるのだ。なのに僕はいつの間にか迷宮に入り込んでしまっている。そして迷宮のどこかには、相手をコテンパンにする方法の書かれた巻物が隠されてるんじゃないか―そんな奇跡さえ夢見始めてしまっている。

そんなときは、解決策は1つ。自分はそんなに頭が良くないんだから考えてもムダ、絶対Aだというその直感を信じるしかない―そう何十回でも自分に言い聞かせて、徐々にでもその、思考と自意識の迷宮から離陸していくんだ。
23/04/23 09:08更新 / はちみつ



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