夏にだって夢が降る
田舎町の素朴な街路でベージュのコートに身を包みながら、たとえば、それこそ過去のなんやかんや(?)を、やさしく慰撫するように目を細めて、静かに歩く。そんなあなたを見ています。
街路樹の裸の梢と、伸びやかに広がる空の水色。生きるっていうのはその狭間で息をすることなんて言ったら、カッコつけすぎかな。
ヒマワリみたいなあなただって素敵だけれど、冷気の底で咲くパンジーの、健気で凛とした黄にこそあなたを重ねたいんだ。
いつもいつも上気しているかのようなまあるいほっぺな、鋭角的な冬の気配を瞬く間に御伽の国のように変えてしまった。
だからねえ、シャーッて車の走行音なんてそれこそ、愛らしいトカゲの這い回る音にでもしてしまえばよかったんだ。
折に触れてあなたが聞かせてくれた故郷の町の、駅前のあの瀟洒な通りで、どうかあなたが安らぐことができますように。
律儀に等間隔を守って走るお行儀のよい車たちに、季節を問わず走っているとの、冬枯れのデザインされた小さなバス。
夏にだってあなたの頬には、しっとりとした夢が降るでしょう。
小さな小さな町にいながら、なにもかもとともにあるようなあなたで、そんなあなたであってほしい。
どうか。
26/01/14 05:25更新 / はちみつ