雪のカーペットを辿って
小綺麗な街路に立って
街路樹の緑たちを背にきみは風に吹かれていた
涼風に洗われる薄紅の頬にりんごを思う
きみの名が"りんご"だったらそれだけでもうノックアウトされそうさ
水色と緑のどこまでも満ち広がる惑星でただ
仄かながらもたしかな発熱を探してたんだ
ねえもしスポーツカーが見つかったら
どうかその猫のようにしなやかな身体を
僕の隣に滑るように畳んでくれないか
そうして飛んで行こうよ
こんもりと雪に彩られた北国まで
華やかな王国もいいけれど
僕は港町の静けさのなかで夢を見たいな
ぽつりぽつりと並んだレンガ造りの家々の
合間に敷かれた真っ白な雪のカーペット
足跡付けるのが忍びないけど
歩き出したら童心に帰りサクサク雪粉とじゃれ合うように
町の果ての海を望む公園で
硬質な人魚の像の尾ひれをきみは
小さな手のひらでギュッと掴んで離さない
わたしもこんなにセクシーになりたかったわときみが言うから
女の子は可愛らしいのが一番だよと僕は言う
黒い雲が垂れ込めると
やっぱり北国は違うのねと驚くきみ
大地はどこまでも無垢じゃないかと
僕はきみの肩をそっと寄せる
夢であるよにそっと寄せる
ムースに縁取られながらきみの頬
銀世界にしんなりと咲いて
僕らお菓子の国にいるみたいだね
そう呟くときみは笑った
ほんのりと紅に包まれていた
25/12/30 08:32更新 / はちみつ