水色が眩しくて
蝉時雨を思い出す
それだけで胸はたなびいていって
遠い夏に僕はいる
小綺麗な住宅街
うららかな朝の陽射しに煌めく緑
そんなさなかで
一匹目のアブラゼミが鳴き出すまで
その静けさにきみとただ浸っていたい
お盆になると
僕の実家にきみと新幹線で里帰り
手土産の"とおりもん"を父母と囲むなごやな午後
小倉では畑なんて見ないでしょうと外に出ると
木の傍でアゲハがアイドリング
ちょうど畑に向かい始めて
導かれるよに開けた大地に辿り着く
空を見やれば紺碧の海に飛行機雲が一直線
ねえ夏風って
なんでこんなに目が潤むほどに爽やかなんだい
きみの黒髪
アゲハの黄
空の青と白との夢みたいな好対照
飛行機もキアゲハも
まるで僕らのために飛んでくれてるかのようさ
もっと風を感じたい
車があればきみと町まで涼風ドライブ
メタリックブルーに縁取られながら風に吹かれるきみを写真に収めてられたらな
そう話したらきみは言う
"木蔭で風に吹かれてる、そんなわたしじゃダメかしら?"
"ダメなんかじゃないさ"と僕は言う
そっと腰に手を回して蔭に行く
そんなきみのワンピースの水色が眩しくって
夢であるように愛らしくて
"永遠"っていうフレーズが
気づけば胸から溢れていた
25/12/28 07:58更新 / はちみつ