ポエム
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隣に立っていられたなら

きみの町の夢を見ている

僕の実家も川の傍だけどねえ
きみの実家はうんと可愛らしい小川の隣にあって
黙想するサワガニに見守られるようにきみは
優雅に紅茶なんか飲んでさ
お供には瀬戸内レモンのケーキ
行きつけのケーキ屋さんへの瀟洒な石段に吹く風に
きみは家並みを慰撫しながらに吹かれていた

いつも凛々しかったきみが
弱いはずなんてない
夢見るように朗らかだったからこそ
ちょっと乾いたこの街では震えてしまった
それだけのこと

しっとりとした雨の夜にさえ
無機質なアスファルトを思うとやるせなくなる
田舎町の土へと沈んでいくだろう
海を思わせる除夜の鐘の音の狭間で
きみはどんな夢を見るのかな

しんなりとした雨靄の朝の草原で
きみの隣に立っていられたなら

パンジーのように溌剌としたきみに惹かれ
シロツメクサのように儚げになっていくきみを守りたいと
そう願っていました
たしかにこの胸のなか
熱く焦がれながら祈っていました

可憐なきみに風よ吹け
淡い淡い水彩のようなそよ風よ
川面のように煌めきながら吹き渡れ

その愛らしい頬の翳りが
どうか明るみますように


25/12/22 21:01更新 / はちみつ

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