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詩紹介・『長干行』(李白)

以下は、ChatGPTに掲載をお願いしたものです。

石川忠久さんの「漢詩鑑賞辞典」にて前編は何度も(何十回も 笑)読んでいたのですが、今回後編を初めて読んで感動しました。ホント、しみじみとしたやわらかな女心が描かれている。月が昇る箇所では見送るときに時制が戻っているので、読み手は再び前編の世界に引き戻されることになる。僕自身は、後編を読んでいる折りに前編の流れるような物語が走馬灯のように流れていくような高揚を覚えました。幻想世界に引き込まれるような心地でした。間違いなく一番好きな漢詩になりました♪

李白『長干行(其一)』〈前篇〉

**原文:**
妾発初覆額,折花門前劇。
郎騎竹馬来,繞床弄青梅。
同居長干里,兩小無嫌猜。
十四為君婦,羞顔未嘗開。
低頭向暗壁,千喚不一回。
十五始展眉,願同塵與灰。
常存抱柱信,豈上望夫台。
十六君遠行,瞿塘灩澦堆。
五月不可觸,猿聲天上哀。
門前遲行跡,一一生緑苔。
苔深不能掃,落葉秋風早。
八月蝴蝶来,双飛西園草。
感此傷妾心,坐愁紅顔老。
早晚下三巴,預将書報家。
相迎不道遠,直至長風沙。

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**日本語訳:**
わたしが初めて額を髪で覆うようになったころ、
門の前で花を折り、戯れていた。
あなたは竹馬に乗ってやって来て、
寝台のまわりを回りながら、青梅をもてあそんでいた。
同じ長干の里に住み、
二人は幼く、疑いや隔ての心などなかった。
十四であなたの妻となったが、
恥じらって顔をあげることもできなかった。
暗い壁にうつむき、
いくら呼ばれても、ふり返ることさえしなかった。
十五になってようやく眉をひらき、
「あなたとともに塵となり灰となろう」と誓った。
常に「抱柱の信」(殷の人の誓い)を忘れず、
けっして「望夫台」などに上ることはないと思っていた。
十六の年、あなたは遠く旅立ち、
瞿塘や灩澦(えんよ)の岩に行った。
五月の川は触れることもできず、
山猿の声が天に響いて悲しい。
門前にあなたの足跡が残るが、
そこには青苔が生い茂ってしまった。
苔が深く、掃くこともできず、
秋風に葉が落ちていく。
八月には蝶が舞い、
西の庭の草の上を双つに飛ぶ。
その姿を見るたび胸が痛み、
紅顔のわたしも老いていくのを悲しむ。
いつになったら三巴から帰ってくるのか。
前もって手紙を送ってほしい。
たとえ遠くとも迎えに行こう、
長風の砂原までも。

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李白『長干行(其二)』〈後篇〉

**原文:**
家住長干裏,門臨九江水。
常隨長干行,攜手日同行。
青樓何所在?乃在雲陽城。
長干女兒心,還似江南水。
見客如見春,花開笑相迎。
相送金陵岸,舟行明月生。
何時石門路,重得見君情?

---

**日本語訳:**
わたしの家は長干の里にあり、
門の前には九江の水が流れている。
いつも長干の道を行くあなたと、
手を取り合って歩いたものだった。
今ではあなたはどこにいるのか。
雲陽の城にある青楼にいるという。
長干の娘の心は、
江南の水のように清く澄んでいる。
客人(あなた)を見れば、
春の花のようにほほえんで迎える。
金陵の岸であなたを見送り、
舟が進むと、明るい月が昇った。
いつの日か、石門の道で、
再びあなたの心に会えるだろうか。

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解説(概要)

* **前篇**は、幼い恋から始まり、結婚・別離・思慕に至るまでの女性の生涯的叙情を描く。
* **後篇**は、その恋を回想しつつ、すでに遠く離れた相手への淡い再会の願いを詠む。
* 前篇が「時間の流れと感情の成熟」を主題とするのに対し、後篇は「距離と記憶」「清らかな再生への希求」を主題とする。
* 文体的にも、前篇は物語的で叙述が豊か、後篇は簡潔で象徴的。李白の若年期の詩風と成熟期の抒情性の双方を感じさせる二首



25/10/26 16:44更新 / はちみつ

■作者メッセージ
プロフィールにて『夏の夢』掲載しました。
5000字近いです(苦笑)
お暇な折りにでも、読んでくださるとうれしいです☆

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