ポエム
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水の精との糸電話


山あいの町のがんばり娘
そんなささいな看板だけで
明日が煌めく午後3時

作業が一段落して外に出ると
頬を撫でて行く風がふっと
町外れの遠い湖から吹いてきているような気がした

瞬く間に夢のような水色の流れが
胸を伸びやかに駆け抜けていった

それはまさしく
水の風


水の精とののっぴきらない距離の近さ
自動的に繋がった見えない糸電話

"もしもしお姉さん、いま何をしていますか?"
"湖の上を飛び回って、木々の雫の記憶を集めています"


その夜から彼女はノートに
幻想の詩をそっと記し始めた









25/06/07 23:02更新 / はちみつ



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