ポエム
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それは磯の香りのさなかの夢


あなたへの愛がどうしようもなく湧いてくる

輝ける青に抱かれた町は
今朝はほんのり霧模様

淡い朝日 花屋さん
あなたは儚く夢見るような
水色の花を買うでしょう

窓辺に置くと友のよに
薄緑の風が花びらを揺らします

小さく 小さく
揺れるごと
彼方で青がゆらゆら揺れて
まるで地球の子守歌

二年前に彼と別れて以来
あなたの休日の朝は静けさとともに

けれどこの今朝
数多の日々はその胸のなか
純白の真珠のネックレスように
淡く甘やかに明日へと延びる
ひと連なりの夢となる


無慈悲でもあり愛に満ちてもいる海の
黄昏時の言いようのないやさしさのような
亜麻色だったあなたの瞳

うら若き男女に戻ったように浜辺に座って
バニラアイスを分け合ってみたかった

それは磯の香りのさなかの夢
紫に光る貝殻のような
あざやかで儚い
一夏の夢


哀しいまでの切なさが溢れ出して
その身体に腕を回す勇気を持てただろうと

いま静かに思うんだ



25/06/05 06:20更新 / はちみつ



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