あなたは地を揺るがせる
砂漠の真ん中に住まう姫は
哀しげに目を細めつつも
温かい
大きくも小さくもない胸の
艷やかな身を絹に包めば水色の風だって吹くだろう
何を想っているの?と訊こうとして
止める
グレーの半袖シャツから覗く二の腕は
気づけば熱気に赤味が差して
深い黒の瞳が閉じられると
夏の椿が花開いた
大きなサボテンの緑
夢見るようにしなやかなあなたの曲線
一対の宝玉はグレーの海を波立たせて、
張られた皺のなごやかさは
輝ける唇のためだけのもの
灼熱のオアシスに白い鳩が舞い降りる
降り立って
発つ
その合間の地を揺るがせる
葉陰の雫のよな時は
遠ざかる夢
空へと歌う純白の背に
ありったけの名残惜しさを載せてみたい
帷が降りれば
幾万の星
あなたへと吹く風の温度は