ポエム
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風の波を掻いていく

大変ねぇ(!)と彼女は言った
終業間近の積み替えゲーム

それは
ほとほと疲れた身体に染みる一抹の涼だ

その名残り抱くよに明くる朝には
休日の朝には相も変わらず公園に行く

けれどなんだか生暖かい大気に気が滅入って

ガタンゴトンがありし日々から響いてきた
先ほど降りた
ヘソ出しルックのセクシーガール

右後ろを振り向けば
なだらかな15℃ほどの路を下るは夢を見るよなたおやかさ

あのささやかな午後にあの胸のうちに
またたいていたろう十字路は―


*


猫のよに
気だるげに左後ろを振り向く女(ひと)

厳しい書斎 金文字の本に突き当たるや
渋谷の深夜に世界がぐんるり

判別不能の西・東
羅針盤のない海 わたし

街灯だけをたよりに水掻いてきたんだなぁ(!)


降りゆく見えない星たちがあんまり美しいものだから

どんなに辛くてもベソまではかかないって
そう決めたんだっけ


埃が時を籠もらせているような不自由さね


もう一度
遠く見やるよに


そうしてまた わたし
風の波を掻いていく


25/05/19 20:17更新 / はちみつ



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