パステルカラーの夢
私は無力だ
あなたにまた睨めつけられる
乾いたキーボードの音
牛乳瓶の底のようなメガネ
しおらしくないとあなたは言葉を振り下ろした
苦しい
重い
私が私らしくいられなくなりそうで、怖い
だからみんなみな
ブルルッ!と振り落としてしまいたい
私はあなたの視線から逃れたいキツネ
たとえば神社へと駆けたなら
境内につむじ風湧き青葉が舞う
その萌える色彩は遥か明日へと広がって
白(衣)と黒(髪)で作られた地味なあなたを踏み越えてゆく
迷える女の子じゃいけないの?
ツンツンしてたらダメなの?
ねぇ見てこの毛皮、綺麗でしょう?
診察室では大人しく撫でつけておいてあげる
あなたの好きそな無香料の整髪料で
パステルカラーの夢見てるのに灰色の現を見せないで!
私にあなたの錆びついた銀糸を入り込ませないで!
私はあなたの乾いた言葉から逃れたいキツネ
いつだって桃の香りに身を委ねていたいの