落ち葉の情と、秋空の情と。
なんとはなしの倦怠、とでも言うほかない吐息を、名もなき女(ひと)と重ねたくなるのは秋の憂いか。どこから来て、どこへ行こうとしているの?ーなんて問いかけても(彼女の世界へと)届かない、その届かなさと表裏一体の、瞬きみたいな遠景に酔いたい。
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地に足を着けるだけでは、生きられない人もいるだろう。彷徨う心は押さえつければマグマとなって、遅かれ早かれ噴火する。認めて肯定した上で、穏当な方角へと欲の背を押せれば。
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めぐり逢いのロマンに比するロマンを創り出すことが叶うなら、それはもう芸術と言っていいーなんてちょびっとの、誇大感すら味方に始める日々のデザイン。
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静けさのさなか自我を編む。遅すぎず早すぎず。固有のリズムに吐息乗せれば、ほらちょっぴりと零れるウキウキ。
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哀しみの果ての悦び、というよりは、哀しみの生地に悦びのムースを載せてみたい。きらびやかなクリスマスが晩秋を知っているように。
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落ち葉の情と、秋空の情と。