ポエム
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10万ボルトの切なさ

君の傷が見たい
だなんて歪な気持ち
でも胸の底から想ってて

ポツリポツリと置くよに話す
合間に頬が翳ってたなんて思うのは
きっとだから僕の幻想

でもどうか許してほしい
君のどんな哀しみだって護り抜く
その気持ちだけはほんとうだから

カッコいいと思ったって君の言葉
お世辞でも胸に染み入って泣きたくなった

苦節30年余
初めて受け入れられたような心地になって

恥ずかしいのでと君は言って薄明かりのまま
祈るように背から豊かなその胸に触れた
あどけなくはにかんだ君の笑顔に
10万ボルトの切なさが流れてきた

流し場からベッドに戻り戯れ合う
胸触っていいですよと
今度は慈愛に満ちた母親のような笑みで

抱かれてたのは僕の方だったんだなと
締めながら慰撫してくれるようだった
君の逞しい両脚の感触を想い出す

外に出たら小倉の街は嘘みたいに眩くって
でも君は今日も明日も仄暗い部屋にいるのだ

あのとき僕らは一筋の涙をともにしたよねって
振り返って語り合えるような夢が叶うとしても
それはきっとびくともしないような現実で
それが泡沫の夢となる乾いた明日がすでに見えるようで
この胸はなんだかもう哭しそうになっている

首を振って光へと向く
真っ直ぐに続く明日への道を、君と
悲も愛もともに包んで笑い合いたいから
力強く朗らかに手を繋ぎ合いたいから

まだ出逢って半月足らず
自分の世界に浸りきっている僕を見たら
きっと君は笑うだろう

あの爽やかな秋風のような笑顔で
哀しみなんてどこにもないかのように

24/03/23 10:19更新 / はちみつ



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