ポエム
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母の詩(うた)―枝垂れ桜を前に―+夏空
しだれ桜を見るたびに
なんだか守られてる心地
こんもりひらひら可愛いね
だけどほんのり抱くよな形
優しい腕みたいなその枝の
先へと想い乗せたくなる
来る年来る年あなたは同じ
来る年来る年わたしは老いる
いつしか娘もあなたを前に
過ぎゆく春を嘆くのでしょう 
やがて桜も咲くけれど
あなたのひとひら忘れません
また来年会う日まで
花が散っても守っていて
またこの前に立つ日には
磨かれた胸で立っていたい
あなたの姿はわたしの鏡
この身老いても心は老いず
いつしか娘もあなたを前に
過ぎゆく春を嘆くのでしょう
だからせめて我が娘の
気丈な心を守っていて……




人知れず
淡い日揺らめく教室の
流れる日々に書物織る姫

 
光行く
想いの丈に愛込めて
葉陰のホタルの始発の準備


清らかに
伸びゆく雲は北国へ
そよぐ稲穂に想う麦風


夏蔭に
ちょこんと座った娘(こ)の髪よ
めくる書の端(は)に海鳴り聴いて


甘夏と
風に想い出飲み干して
しんなりとした雨音は遠く


夜もぬくい
そのありがたみよ夏空に
夢を架け合う2人の明日は



24/03/02 15:43更新 / はちみつ



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