ポエム
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絹糸
そのほうれい線に僕は君の
歩んできた不可視の歳月を想う

そのほうれい線に僕は君の
曖昧模糊とした影絵を見るよう

でもあと少しの手がかりさえあれば
それはきっとカタチになる

笑い声であなたの心拍を和らげて
ささやきであなたの胸に絹糸を架ける

のどかに雲がたなびいてゆく青空の下
なにかを想い出すようにポツポツと
音符を置くようにして問いかける

もったいぶる演技だってスパイスだよね
なにかを隠してるようでさえある君の
斜めを見上げた思案のポーズ 愛らしくて

ふいに、丘の上の家々をぼうっと見やる君
胸を切なく揺さぶられながら僕は問う
君は何を見つめているの?
答えは返ってこなかった

夕刻の空に三日月が浮かんで見えるから
今夜の晩御飯はカレーねと君は言う
「はっはっはっ」と僕は大げさに笑ってみる

すべてが影になったことを知る深夜には
ひとえにその心音に耳を澄ませたい
その狭間から誰にも聴かれたことのない歌が
そっと漏れ聞こえてくることを、信じて
24/02/18 10:02更新 / はちみつ



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