ポエム
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田舎町
生き方ってやつについて
そんなに肩肘張って思案することはないんだ
生きてさえいれば、なんとかなる
生きてればきっと、良いこともある
大切なのは、そんな風に思うことかな

気がつけば、バラ色の青春を基準にしてる
大学時代の、甘やかに捏ね上げられた過去
京の街に吹いていた文化の香りの
そのいいとこ取りの数珠玉の夢想
京都市に人口も人口密度も似通った
そんな北九州市に住めば青春が甦ると
変わっている自分を脇に置いて盲信して

未来を夢見てどこまでも
輝こうとしていた、あの頃の自分
そして今の、世界に夢見るのを止めてしまった
ダメダメな自分
でもそれは凡庸な現実との和解でもあり
僕は今まさに日常の悦びってやつに目覚めてるんだ

…と、まったりした勤労感謝の日の午後に
"そのままでいいよ"と言ってくれる
そんな彼女を想像しながら気づいたのだけど
その彼女ってやつが切られた元友人の彼女で
僕はやっぱりダメダメで―

うららかでのどかな陽射しに
シャーッと仄かに遠く響いてくる車の音
人っ子1人いない、だだっ広い住宅路
そうして青空の下に1人―歩く、歩く、歩く…
まるでささやかな近未来都市の貴族にでもなったみたい
やることなすこと上手く行かない
そんなダメダメぼんくら貴族
だけど優しさだけは持ってるつもり

生きてさえいれば、なんとかなる
生きてればきっと、良いこともある
つまりさ、ダリーなんて言いながら
どうにかやり過ごしてく日々こそがデフォルトなんだね

それでもいつだって
とりとめのない空想で胸を浸せるし
口笛でも吹きながら歩くことだって自由だ
どうにかこうにかな人間関係には参るけれど
心配せずとも明日の朝には
とびきり美味しいコーヒーがまた飲める

彼女が出来れば万々歳
きらびやかな夜景なんかなくたって
土臭い公園に吹く風の中に2人立てれば

そのときにうんと優しくあれるよう
明日からまた気を張りつつも
それでも人に、目一杯の優しさを
23/11/23 16:45更新 / はちみつ



談話室



■作者メッセージ
…というわけです。お騒がせしました(汗)いいねくださった方々、暇?さん、ありがとうでした。南海トラフ巨大地震については、僕が住んでるアパートは大丈夫そうなのと、仕事については、安全な職場を探すことにしました。

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