ポエム
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数年後を見据えて
最近、折に触れては自分が、何も起こることのない田舎町で、静かに満ち足りた日々を送っていく未来を漠と胸に描いていた。そうしなきゃちょっと空しくなってしまう、そんな気がして。

本当に大切なものが分かったからこそ田舎に留まる決意をした―そう分かってるはずなのに、どこかでまだ街の華やかな装いを偽物だと断定できない自分がいた。

雑多な刺激を求めて、あっちにフラフラこっちにフラフラする―そんな生き方は本当に貧しいのか?田舎町の単一的な静けさと対比的に、多様で豊かなような気がしてくる。

ケリをつきたはずの憧れに胸をすっぽり覆われる―そんなブッレブレの休日の午後。対立を放っておいては同じことの繰り返し。ここはひとつ、融合を計ってみることにしよう。静けさの只中でだって多様性へと開かれることができると、信じて。

人であれ物であれ、思いがけない出逢いはほぼないけれど、それは同時に自分の一貫性を保持しやすいということでもある。変わらない芯を持ちつつ、昨日より1mm前に進むための、今日という日の試行錯誤。

次はどんな本をAmazonで頼もうか。明日はあの子にどんな話を振ってみようか。そんな小さなワクワクを大切に。

内面も人間関係も、気づけば豊かになっていた―そんな数年後を目指して。
23/11/04 13:15更新 / はちみつ



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