伊澄優1
「せんぱーいっ」
「させるか!」
ぶー!何で先輩は私のハグを避けるんでしょう?
普通の男性なら喜びそうなものを…
まぁ、そんなシャイな先輩も大好きですけどっ!
「先輩先輩。そろそろ私と付き合ってくれる気になりました?」
「買い物にね。誤解招く発言やめようね。」
私たちの出会いは、私がこの高校に入学してきた日でした。
私、高校デビューで浮かれてて、間違って先輩方の棟に迷い込んでしまったんです。
そんな時、進級して先輩面したがる2年生の先輩2人に絡まれてしまって。
その瞬間、腐った目で近寄ってきた陰緒先輩が一言。
「兄貴に言いつけんぞ。」
いやー、カッコ悪かったですねぇ。あの時の先輩。
セリフがカッコ悪すぎて引きました。
でも。
周りの人が見て見ぬフリをする中で、先輩だけが助けてくれた。
その瞬間、私は恋に落ちました。
「ねぇ、陰緒先輩?」
「なんでしょう。」
「先輩が初めてなんですよ。こんなに本気になったの。」
「え、何?そんなにオレと買い物行きたいの?」
……まだまだ、前途多難っぽいですけど。
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