あれから…
「愛斗!早くっ!」
「生間、女の子なら、もーちょい可愛くしたっていいんじゃない?」
「いいの!私は、このままでも可愛いから〜♪」
「あ〜、はいはい」
「も〜、私可愛いでしょ?」
「可愛い、可愛い。よしっ、行くぞ!」
「気持ちがこもってないケド、いっか!行こー」
あれから、10年たちました。
私、生間は、ちゃんと会話が出来るようになりました。
愛斗のおかげ。
1から、たくさんの日本語を教えてくれて
たくさんの愛を教えてくれて
たくさんの優しさを教えてくれた。
やっと、人間になれた気がする。
ありがとう。
愛斗に、感謝しても、しきれない
ちなみに、私達が今から行く場所は
ペットショップ
ママとパパに似た子を探しに行くの
人間は、動物を育てる
だから、私は、育てる。
最後まで、ママとパパが私を育ててくれたみたいに…
「みんな、捨てられた動物たち」
「え、捨てられた…?」
「ここにいる動物達が、誰にも引き取ってもらえなければ、殺されるんだ…」
「ダメだよ…そんなの…」
「ちゃんと、育てようね」
「じゃあ、この子とこの子もらいます」
雑種の犬と雑種の猫
ママとパパに似てたから。
この子達は、私と同じなんだ…
私も、捨てられた。
そして、最後の最後まで、育ててくれた。
次は、私の番だ。
「この猫は、私を育ててくれたママにそっくりだから、育イク 」
「犬は?」
「私を守ってくれたパパにそっくりだから、守マモル 」
「育、守、よろしくね!」
「ニャー」
「クゥ〜ン」
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