4.口論

しかし、その翌日。朝のことだ。

「北川さーん」

「…どうしたの、夜坂」

「北川って、何の部活に入ってるの?」

「はあ!?」

北川は人相を変えた。相当焦っている。

「なんであなたがそんなことを訊く訳!?」

「だってさー、なんか昨日、部活の勧誘をたくさん受けたからさあ、あんたは何に入ってんのかなーと」

「何故私なの…まさか、私と同じところに入る気!?生憎だけど、うちは募集してないわよ。というか学校では私に関わらないで」

「何!目論みがばれただと」

「結局そうだったのね!?」

激しい口論を、周りの人間は、恐らくこのように見ている。

男A(あの転校生何やってんだ。というかなんで北川とまともに喋れているんだ?)

女B(わー、北川さんまた口説かれてる。いいねえ、肝が据わってる女は人気で)

男Z(お、俺の北川に何をするんだアヤツは!許せん!)

「…ねえ、今日はたまたま活動日だから仕方ないから案内するから、こんな気力の消耗の激しい口論はやめにしない?」

「お、いいのか!?ありがとよー!」

「(やれやれ…なんでこんなことに…)」

夜坂のしつこさ…もとい熱意に敗北した北川は、重いため息をついた。
15/02/06 20:01更新 / 紅色ここあ

前編へ 続編へ
TOP 目次
投票 感想 メール登録
まろやか投稿小説 Ver1.53c