4.口論
しかし、その翌日。朝のことだ。
「北川さーん」
「…どうしたの、夜坂」
「北川って、何の部活に入ってるの?」
「はあ!?」
北川は人相を変えた。相当焦っている。
「なんであなたがそんなことを訊く訳!?」
「だってさー、なんか昨日、部活の勧誘をたくさん受けたからさあ、あんたは何に入ってんのかなーと」
「何故私なの…まさか、私と同じところに入る気!?生憎だけど、うちは募集してないわよ。というか学校では私に関わらないで」
「何!目論みがばれただと」
「結局そうだったのね!?」
激しい口論を、周りの人間は、恐らくこのように見ている。
男A(あの転校生何やってんだ。というかなんで北川とまともに喋れているんだ?)
女B(わー、北川さんまた口説かれてる。いいねえ、肝が据わってる女は人気で)
男Z(お、俺の北川に何をするんだアヤツは!許せん!)
「…ねえ、今日はたまたま活動日だから仕方ないから案内するから、こんな気力の消耗の激しい口論はやめにしない?」
「お、いいのか!?ありがとよー!」
「(やれやれ…なんでこんなことに…)」
夜坂のしつこさ…もとい熱意に敗北した北川は、重いため息をついた。
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