two triangles

「何故だあああああ!!?」

聖なる夜で賑わう街に、男の悲鳴が響く。

「どうしたのよ、ジャック」

「む、これはこれはメアリーではないか」

「どうしたの?そんなに悲鳴をあげて…」

「あれを見ろ。お前にも関係がある」

ジャックは向かいのウッドカラーの建物…小さなファミレスを指差す。

「あれは…チェルシーとヘクター?そういや、なんであなたチェルシーと一緒じゃないの?付き合ってたんじゃないの?」

「そうだ!今までチェルシーと付き合ってたのは確かに僕だが、何故かあやつは僕に別れを告げ、ヘクターとくっついてしまった!ああ……」

するとメアリーが何かを見つける。

「あれ?二人の横にいるのって、もしかしなくてもランドとエレン?」

「そうだ。確かお前は我が盟友、ランドが好きだったよな?」

「いつ私がそんなことをあなたに言ったっけ(…め、盟友?)」

「見ていればわかる」

「うっ……でも私はあの二人が付き合っているのは以前から知っていたけど。エレンが言ってたから」

「そうか。………えっ?」

「だからあなたほど気にはしないけど…私に対する嫌がらせかしら?なんて」

「結局そうなるのか」

「まあねー」

どうしても納得せざるを得ないメアリー。

「という訳で、今から我々は“取られちゃった同盟”を組もう」

「どういうことよ!?失礼過ぎるんじゃない!?大体状況が微妙に違うし」

「まあ良いじゃないか」

「ひじょーーーに良くありませーーーん!!」

ジャックの意味不明な提案に、メアリーは全力で抵抗する。

聖なる夜に賑わう街に、女の怒号が響く…
15/01/30 18:22更新 / 紅色ここあ
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まろやか投稿小説 Ver1.53c