3.“普段”の様子
翌日。
「おはようございまーす!」
「おっす、おはよう夜坂」
夜坂は陽気に、その場に居たクラスメートに声をかける。
そのとき夜坂は、既に着席して本を読む北川と目があった。
「なあ夜坂」
ある男子生徒が話しかける。
「なんだ?」
「昨日の北川の…(指指し)ああ、あいつのことな。基本ああいう奴だから気にしないでやってくれ」
「ああ、それなら全然気にしてねーぞ。そいつがどうしたんだ?」
「そうか。それならいいや。いや、なんかお前がそっち向いてたから気にしてんのかなー、と」
その後も二人の会話は続いた。
(夜坂の正体を知ってから改めて見ると、違和感しか無いわ…なんで性根があんな奴がこんな演技が出来るのか…)
北川はよくクラスで浮いてると言われるが、実際にはたまに突飛な発言をする以外は空気同然だ。
だが顔は可愛くその性格(実際には作られたものだが)を含めて好意を持つ人は居るには居る。
本人は恐らくそれに興味は無いのだろうが。
(おっこの本思ったより面白い)
間違い無く北川はマイペースなだけだろう。
結局この日学校内で二人が話すことは無かった。
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