秘密の洋館へ御招待

の場でアンタたちを業火で炙って食べてあげるよ」
「なんだそりゃ」
浩夜は鼻で笑う。
浩夜の話はともかく、勝手に呼び出しといて拒否権は無いというのはあんまりではないだろうか…
「ただし、今からこの屋敷の敷地から1ミリたりとも外へ出てはいけない」
「ちょっと待てよ」
また浩夜が口を出す。
「そもそもなんでよりによって俺たちなんだよ?学校とか、俺たちにだって予定があるんだよ。なんでこんなことするんだ?」
「ひゃっひゃっひゃっ。お前たちでなければいけない理由はあるのさ。後学校については心配するな。理由は残念ながら教える訳にはいかないがな…」
「は〜〜〜〜もうわかったよ!3日間は帰りたくても帰れないんだろ!」
「わかればよろしい」
主は浅く頷き、私たちは私たちの住みかとなる部屋に案内された。

その日の晩。
今日は家の掃除や料理の手伝いなどで終わった。
隣では草太と浩夜がグースカと寝ている。
「これを3日後の正午までやってるのかな。それにしても疲れたよ」
「家中をキレイにしたから明日は休めると思うけどね」
「はは…」
この千帆との会話を最後に、意識が途絶えた。





目覚めたら、私は見慣れない部屋に、見慣れない枕と布団で寝ていた。
草色の壁に草色の床、草色の天井に草色と土色のインテリア。
それでいて自然な色ではない。
おかしいな、確かに自宅で寝ていたはずなのに。
ここはどこだろう、私はそう考えた。
あれ、隣にも誰かが眠っている。誰だろう。
そう考えた次の瞬間、
「あ、若葉ちゃん先に起きてたんだー、おはようっ♪」
どうしてこの女の人は私の名前を知っているのだろうか。
不思議で仕方がない。
どこかで見たような気もするが、わからない。
すると、もう2つの布団の中からも人が出てきた。
「おはよう、それにしても4人で泊まりなんてなんか妙だねー」
4人で泊まり?何を言っているのだろう。
しかし、それよりも衝撃的だったのが。
「若葉ー、おはよー」
どうして草太がここにいるのだろうか。
私は夢でも見ているのか。
すると、誰かが部屋の扉を開けた。
「起きたかい。よく眠れたようじゃな」
この人は誰だっただろうか。
「すまないが今日も清掃を頼むよ。また汚れてしまったものでね」
「「「はーい」」」
今日“も”とは一体どういうことだろうか。
3人が出ていった後、得体の知れぬ風貌の人が私に声をかける。
「若葉といったか。どうやら間違えて呼んだようじゃな… まあいい。アンタはここで寝る度に記憶を無くす。一時的に戻してやろう」
「わわっ!?」
私は淡い紫の光に包まれた。
その後、私はみんなと合流した。

後から聞いた話だが、私は2日目と3日目はこんな風に過ごしていたらしい。

4日目の朝6時。最終日の今日は自由に遊んでいいとのこと。
12時ジャストになるまで、私たちはいろんなことをした。
サッカー、テニス、トランプ、チェス…他にもいろいろした。
私はその合間に、草太に手紙を書くことにした。
大したことは書いてないが、何か私にとって悪い予感がするのだ。
赤色の便箋に入れて渡すと草太は喜んでくれた。

そして12時を迎えようとした。
私たちは早急に洋館を出た。
しばらくすると、洋館は跡形もなく消えてしまった。
私は時計を見る。午後12時だ。
「結局なんだったんだろうな。じゃ、俺たちは帰るわ。じゃあな、縁があったらまた会おうぜ」
「ばいばーい」
2人は名残惜しそうにしつつも笑顔で帰っていった。

「…私たちも行こうか」
私は草太に声をかけた。
「………ああ、うん、そうしようか………」
なぜ
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