ねこのみるゆめ。8.
『くそっ!!』
どうして、こんな事に。
何があったかは知らないけど。
今まで、たっぷり時間はあった。
それなのに……何も、相談してもらえなかった。
終わりの、間際まで…何も……!
…っくそ!
俺は急いで松澤さんに駆け寄った。
そして持っていた携帯で119番通報した。
『松澤さん!!』
大声で呼び掛けてみても返事がない。
『…っ松澤さん!
返事してくれよっ!
松澤さん!!』
…息は微かにあった。
けれど安心なんてとてもじゃ無いけどできなかった。
『……お願いだから……
何か言ってくれよ、松澤さん……。』
すがるように声をかければ、
ポタリと何かが落ちて、地面に染みを作った。
…俺…泣いてる?
学校でも何処でも泣いたことない俺が…泣いてる…
…松澤さんっ…
先輩命令だ。
これが、冗談だって言ってくれよ。
今、ガバッて起き上がって
こんな惨めに泣いてる俺を
笑ってくれてもいい。
罵ってくれてもいい。
バカにしてくれてもいい。
だから…
目を…覚ましてくれ………。
前編へ 続編へ
TOP 目次
投票 感想 メール登録