ちょっとした偶然〜群青〜
葉月side
「残念だねー拓実と「そんなことないっ!」
あー楽しすぎる。
何が楽しいって…
拓実と一緒になれなくて悲しんでいる、彩野をいじるのが!
楽しくて楽しくて……
そんな私たちを、陽君(松前陽平君のこと)はため息をついて見ていた。
「あ、拓実」
「え、どこ?」
拓実の姿を一生懸命に探す彩野がなんかもう可愛い。
さすが恋する乙女♪
「ざぁーんねんうっそでした〜」
「えっ……」
彩野がちょっとイラッとした顔をして、私を軽く睨んだ。
「ごめんって〜」
そう謝ればどうやら許してくれたみたい。
「あの二人は今ごろどうなってるかな〜♪」
なーんてのんきに言ってる。
「あんな拓実みたいなのっぽの植物がこんなところにいるわけないよね〜」
しばらくして、ふと、後ろに誰かいる気がして、後ろを振り向けば。
「あ」
「今度は騙されっ……!!!」
「だーれがのっぽの植物だって〜?」
がしっ。
大きな手で頭を掴まれて、彩野は
「ちょっ…痛い痛い!!」
ってわめいてる。
ほーら。
だから言ったのに……
でも、まさかここで会うとは。
なんという偶然。
いや、必然かな???
…それにしても。
拓実、山吹色似合わない。
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