ねこのみるゆめ。6.
また松澤さんが泣いている。
俺の事を思ってこぼした
数えきれないほどの、涙
枯れることのない笑顔を
いつも俺にだけ向けてくれた松澤さんだから
俺はその笑顔が
……好きだったから。
なぁ、また……笑ってくれよ。
前みたいにさ………
……もう、笑わせる事なんて俺にはできない。
魂しかない
肉体のない俺には
声を発することも
君に触れることも
君を慰めることも
一切できない。
………そんな俺に
松澤さんを元気付けることはできるだろうか………
来るかもわからない「転生」を
待つことのできるように。
いつかまた会えるって
信じてもらえるように。
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