2.
『いや…違います。
ここは意識と無意識の狭間…
生と死の狭間……
貴方の強き想いが、
貴方をここに招きました。』
後ろからいきなり、声が聞こえた。
女性か男性かもわからない、不思議と響くその声…
俺が振り向くと、
黒い蝶が描かれた仮面を被り、
白いスーツと、仮面と同じように白い蝶が描かれた黒いマントを羽織った…男性?がいた。
『貴方の名前は…?』
そう問われたので、素直に答える。
「齋藤光希、です。」
『齋藤、光希…ですか……。』
その人は、少し考え込むように俺の言葉を繰り返した。
ふと、顔をあげると、
『緊張なさらずに…
あと……敬語…なんて使う必要ありませんよ?
貴方の好きなように話してください…』
…さっきから変なやつ。
人の名前聞いてなんか深く考え込んだり…
それに…
俺は、この人を知っていた気がする…
どこかで会ったような、そんな気が…
…まぁともかく。
敬語、使わなくていいって言われたし、まぁ…いいか。
それよりも…
「貴方は…誰なんだ…?」
そう訪ねると、この人は少し微笑んだ…気がした。
『そうですね……まぁ、とりあえず、【シュニー・グリュック】とでも名乗っておきましょうか…
以後、シュニーとお呼びください…』
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