「お話」12.
「『夢の中で、また会おう』
その言葉のせいか、その後不思議な事が起こり始めた。
まず。
……新しい、手紙が届いた。
差出人は………先輩だった。
あり得ないと思いつつ手紙を読んで見れば、夢の話がずらり。
先輩のちょっと雑だけどかわいい文字で書かれていた。
夢の話や、
私の身の回りで起こったこと。
それについて、
夢の中で話し合ったこと。
それが一通目の手紙だった。
二通目からも来たけれど……
少し怖くなって、読んでいない。
そして。
ほんのたまに、先輩の夢を見るようになった。
いつもの先輩とただ話すだけの、一見つまらなさそうな夢。
けれど、私にはそれが、とても楽しかった。
けれど。
夢の世界では私は身動きをとれなくて。
近付こうとしても近付けなかった。
夢の世界は私の想いを募らせるばかり……
あぁ。
……先輩に、会いたい。」
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