3.

「シュニー…さん…」
俺は確認するように呟いた。
名前としては、女性らしい…か?

「さん、なんてつけなくても良いですよ。
シュニー、そう呼んで頂ければ…」
不意に聞こえたその声に、俺は不思議と従ってしまう。
「じゃあ、シュニー…。」

…なんだ?
なんでこいつは、シュニーは、
そういう些細なことを気にする?

「…過去の…もう一人の私は…」
そう、シュニーはぽつりと独り言を言うように。
うつむいて、呟いた。

「…『さん』なんかつけずに、
私を呼んで欲しい、と望んでおりました……
…それに。」
シュニーは、顔をあげた。

「貴方に敬語を使われるのも、
あまり…しっくりこないのです。」

そう言った目の前の人は、寂しそうに微笑んだ…気がした。
何せ、仮面で素顔が見えない。
どんな表情をしているのかも
男性か、女性か、それさえも…

…わからない。
14/06/03 22:40更新 / 美鈴*

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