ばかっぷる?〜山吹〜
由希side
『いたいいたい〜!!』
つけっぱなしの通信機から突如流れた悲鳴に、私は失笑するしかなかった。
「彩野…また楽しそうに…」
「この声…楽しそう…なの?」
原田先輩が半分呆れたような声でそう呟いた。
「私はあの二人がバカップルとしか思えないので。」
「おいおい…まあ確かにそうだけどな?
つか今なんか別な感情込もってなかった?
なんか嫉妬っぽいの感じたんだけど
あ、もしかして。
「私が拓実のこと好きな訳ないじゃないですか。」
「だよな。」
気のせいかな?
私が拓実の名前出した瞬間、
先輩が私の手に力込めなかった?
若干痛かったんだけれど…
「さて…もうすぐ着くはずなんだけど…」
今私たちは、彩野たちがいる、中学校らしき建物から離れたところにいる。
どうやらこの世界はまあまあ広いみたいで…
道理で、300以上人がいるはずなのにあまり会わない訳だ…
「これ、ですかね……?」
「そうだな…これが一個目か。
『4つの角に対に結べ…』印つけて…っと」
さすが二年生…
ちゃんと分かってる。
やっぱり一緒にいると頼もしいなぁ…
「よし、次行こう!」
「はい!」
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