ばかっぷる?〜山吹〜

由希side


『いたいいたい〜!!』
つけっぱなしの通信機から突如流れた悲鳴に、私は失笑するしかなかった。

「彩野…また楽しそうに…」
「この声…楽しそう…なの?」
原田先輩が半分呆れたような声でそう呟いた。

「私はあの二人がバカップルとしか思えないので。」
「おいおい…まあ確かにそうだけどな?
つか今なんか別な感情込もってなかった?
なんか嫉妬っぽいの感じたんだけど

あ、もしかして。

「私が拓実のこと好きな訳ないじゃないですか。」
「だよな。」

気のせいかな?
私が拓実の名前出した瞬間、
先輩が私の手に力込めなかった?
若干痛かったんだけれど…

「さて…もうすぐ着くはずなんだけど…」


今私たちは、彩野たちがいる、中学校らしき建物から離れたところにいる。
どうやらこの世界はまあまあ広いみたいで…

道理で、300以上人がいるはずなのにあまり会わない訳だ…


「これ、ですかね……?」
「そうだな…これが一個目か。
『4つの角に対に結べ…』印つけて…っと」

さすが二年生…
ちゃんと分かってる。

やっぱり一緒にいると頼もしいなぁ…

「よし、次行こう!」
「はい!」
14/05/19 22:00更新 / 美鈴*

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