「お話」24.
「朝起きて、部屋の窓を開けた。
快晴の、空。
雲ひとつない、透き通るような綺麗な青が、空を覆っていた。
…そういえば、先輩と最後に会った日も、
最初に会った日も。
こんな空だったなと、
少し思い出に浸った。
幸せだった日々。
もう、二度と戻らない日々を。
思い返すのは、幸せだったけれど、
少し切なかった。
『…あれって……猫?』
庭を見れば、白い猫が一匹、
こちらをまじまじ見ていた。
猫は、にゃあと鳴いたかと思うと、
塀を登って、どこかへ行ってしまった。
『白猫、かぁ……』
私は、猫のいた方を見て呟いた。
『猫、飼ってみようかな。』」
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